熊本県に発表されていた大雨の特別警報は警報に切り替えられましたが、各地で大雨による被害が出ています。
土砂災害や河川の増水などに引き続き警戒をしてください。
矢澤剛気象予報士と、各地の様子とこれからの雨について見ていきます。
矢澤剛気象予報士:
10日夜から線状降水帯が各地で発生していますが、わずか6時間で2カ月分の雨が降ったところもあります。早速、現地の様子から見ていきます。
宮司愛海キャスター:
まず、熊本県を流れる緑川水系の御船川の様子です。
平常時と比べて橋脚の辺り、平常時は見えているんですが左側、現在の様子を見るとかなり水位が高いところまで来ていることが分かります。
矢澤剛気象予報士:
かなり水位が下がってきているほうですが、これまでの雨量で堤防が損傷している可能性も考えられますので、少しの水位でも氾濫にはまだ警戒が必要です。
宮司愛海キャスター:
続いて福岡・北九州市のカメラを見てみると、視界が悪くなっています。高速道路の入り口とみられますが、車も全く通っていません。雨も強く降っていると言うことでしょうか。
矢澤剛気象予報士:
今まさに福岡県内で雨のピークが始まっていて、このあと九州北部を中心に雨が強い状態が続きそうです。
青井実キャスター:
9日からの線状降水帯発生情報をまとめると10回も発表されていますが、こんなに多く出るものなんですか?
矢澤剛気象予報士:
私は見たことがなくて、極めて異例な状況、異常だと考えられます。
また一覧を見てみると、夜に多いことがわかりますね。夜になると気温が下がって湿度が高くなるので、その分、雨雲が発達して線状降水帯も起こりやすくなるというわけなんです。この24時間に降った雨の量を見ていくと、特に熊本県で多くなっていて、2つの地点で400mm超え。観測史上1位の記録を更新している状況です。午後4時半現在は、ちょうど福岡県内で雨のピークとなっています。それから中国地方も発達した雨雲があり、秋雨前線が北上してきていますので、このあとこれらの地域で注意が必要となります。
では、現在の土砂キキクル、土砂災害の危険度分布図を見ていきます。
福岡県の宗像市、熊本県の上天草市、こういったところはまだ土砂災害の危険が高くなっていますので、崖には近づかないようにしてください。
もしも崖から水が噴き出していたり小石が落ちてきていたら、土砂災害の発生の前兆の可能性がありますので、避難が可能な方はすぐ避難していただきたいと思います。
これから夜なので避難が難しい方もいらっしゃると思います。
そういった方は少しでも高いところ、崖から離れたところでお休みになっていただきたいと思います。
青井実キャスター:
夜間、夜中に起きても気づかなかったりするので、これからの雨の予報を見ていきたいと思います。
矢澤剛気象予報士:
特に注意が必要なのが、九州北部と北陸ですね。
このあとの雨の予想は、夜になると九州北部で発達した雨雲、それから石川県内も発達した雨雲がかかってきます。長崎県の対馬で11日夜から12日の朝にかけて線状降水帯発生の恐れがあります。
夜遅くから12日の朝にかけて秋雨前線が同じような位置に停滞する影響で、同じような場所で雨が強い状態が続きます。このあと、12日の午前9時以降は日中にかけても広い範囲で雨。特に日本海側を中心に雨が強い状態が続きます。関東も一時的に12日は雨が強まりそうです。
北陸に関しては低気圧が次々と同じような地域を通過する影響で、12日、特に雨のピークが夜中と夜、2回訪れそうなんです。北陸でも12日は注意が必要となってきそうです。
青井実キャスター:
先ほどの線状降水帯の10回という時間軸、あれを見ても思うんですが、矢澤さん結局、夜中に起きるか日中に起きるか分からないんですか?
矢澤剛気象予報士:
これまでのケースですと、夜中のほうが多いと考えられます。避難がかえって危険なことも十分考えられますので、なるべく早めに避難していただくのが有効かなと思います。
とはいえ、深夜に起きたらなかなか起きて逃げられなくなりますから、最新の情報を見ていただいて準備をしていただくように。
なるべく避難する方は早い時間にしていただきたいと思います。