7月にオープンした長野市松代町の「あんずカフェ」。もともと農家などで作るNPO法人が営業していましたが、2024年から閉業状態に。地元の女性が「特産のアンズの魅力を発信したい」と引き継ぎました。
長野市松代町の「古民家カフェ」。涼やかなパフェにチーズケーキ、スカッシュも。
スイーツや飲み物に使われているのは特産のアンズです。
7月にオープンした「あんずカフェ」です。
客:
「アンズの甘酸っぱさと生クリームのクリーミーさがおいしい」
「甘酸っぱくてすごく新鮮な、夏にぴったりな味ですごくおいしい」
友人の客:
「めぐちゃんが切り盛りしているってこと?」
青木さん:
「私しかいないってこと」
店を1人で営んでいるのは、地元松代に住む青木恵さん(49)です。
あんずカフェ・青木恵さん:
「アンズ畑のふもとで『あんずカフェ』という名前でカフェを再オープンさせるにあたってアンズメニューを中心にしたカフェにしたくて」
「カフェ」はもともと2022年からアンズ農家などでつくるNPO法人が不定期で営業。地元の野菜や卵などを使ったメニューを提供し、イベントなどにも使ってきました。
しかし、運営の中心だった副理事長が亡くなり、2024年末から閉業状態となりました。
NPO法人(アンズ農家)・新村富男さん:
「しばらく休んでいたんですけど、だれかやってくれないかといろいろ探していたんですけど」
そのことを知った青木さん。それならば、自分がこの場所で特産のアンズの魅力を発信しようと一念発起。引き継ぐことを決めました。
あんずカフェ・青木恵さん:
「活用方法を一緒に相談乗ったり話したりしているうちに、私がカフェを営業しながらアンズコミュニティーを形成できるような場所になればいいとオープンさせてもらった」
松代に住みアンズが好きだった青木さん。3年前には子どもが通う松代中学校で生徒や保護者が農家を手伝うボランティア「あんず部」を立ち上げ、活動しています。
活動を通しアンズをさらに好きになりましたが、一方で、農家の高齢化が進む現状も目の当たりに。
あんずカフェ・青木恵さん:
「(高齢化が進み)放棄地になっちゃうとやぶばっかりになっちゃって、アンズ栽培も廃れていっちゃうと思う」
青木さんはこのカフェを魅力発信の拠点にして次を担う人が増えればよいと考えています。
そこでメニューも一新。一部の飲み物以外は、ほとんど松代産のアンズを使っています。
この時期の一押しは「あんずパフェ」。青木さん手作りのアンズジャムに寒天や白玉、アンズのシロップ漬けがトッピングされています。
あんずカフェ・青木恵さん:
「アンズの酸っぱさ、香りがすごくさわやかで、甘いものもすっきり食べられる。夏向きだなと思っている」
アンズ農家・新村さんも試食―。
新村さん:
「甘味と酸味があるのでとってもいけると思う。アンズの使い道としては面白い。(カフェに)地域の農家とかそういう人が気軽に集まって話をしたり、将来展望を語ることができればいい」
地元の女性がオープンした松代町の「あんずカフェ」。観光客はもちろん、地元の住民や農家の休憩所などにも使ってもらいたいと考えています。
そして、農家とカフェの利用者の交流が深まり、アンズ栽培にも興味を持つ人が出てくればと期待しています。
あんずカフェ・青木恵さん:
「景観を維持するためにも畑のアンズを継続するためにも、これからアンズ畑を経営していってくれる人がこのカフェをきっかけに増えてもらえたらいい」