山形県を拠点に活動しているプロオーケストラの「山形交響楽団」が7月、秋田市の河辺中学校で演奏会を開きました。プロが音楽を通じて子どもたちに伝えたいこととは。

◆“物語を描くような音楽”届けたい

秋田市立河辺中学校の体育館から聴こえて来る繊細で力強い音色。演奏しているのは、プロオーケストラの「山形交響楽団」です。

山形市で東北初のプロ楽団として産声を上げ、創設53年を迎えました。年間約150回の演奏活動を行う中で、文化庁の採択を受けて2003年から精力的に取り組んでいるのが「学校巡回公演」です。全国の小中学校を回り、子どもたちと音楽を通じて交流を図っています。

山形交響楽団・西濱秀樹さん:
「子どもたちに最高のものを届けたいということで学校を回っている。今回は物語を描くような音楽を届けたい。その中でもオーケストラの演奏範囲は非常に広くて、世界中のいろんな音楽文化を子どもたちに一日で体験してもらうという形を目指して演奏する曲を組んだ」

この日は総勢63人の団員が、河辺中学校の全校生徒と地域住民を前にクラシック音楽を中心に演奏を披露。公演では、楽器で何の動物の鳴き声をまねているのかを当てるクイズコーナーのほか、子どもたちが指揮者を体験できる時間も設けられました。

◆吹奏楽部がプロ楽団と共演で刺激

さらに、河辺中学校の吹奏楽部と山形交響楽団のコラボ演奏も行われました。

プロとの共演に緊張した生徒たちでしたが、演奏を終えると会場から盛大な拍手が送られました。

山形交響楽団・西濱秀樹さん:
「プロと一緒に演奏することでまた刺激を受ける。『もっと頑張ろう』『もっと良い音を吹きたい』という気持ちになってもらうこと。聴いている子どもたちにとっても、自分たちの仲間がプロと一緒に演奏している。それを体験することもみんなの気持ちを盛り上げる機会になる」

初めて目の前でプロオーケストラの演奏を聴いた子どもたちは?

男子生徒:
「オーケストラは動画でしか見たことがなかったが、実物は音の伝わり方や迫力が全然違い、素晴らしい演奏だと思った」

女子生徒:
「普段一緒にいる仲間たちがプロと演奏していて、とてもすごいと思った」

◆子どもたちに本物の舞台の感動を

様々な演出で子どもたちに音楽の素晴らしさを伝える山形交響楽団。子どもたちとの交流を通じて目指す今後は。

山形交響楽団・西濱秀樹さん:
「子どもたちに本物の舞台の感動を届ける。オーケストラやクラシックは何となく敷居が高いと感じるかもしれない。でも実際に触れてみたら、生の空気の振動と目の前の60数名がうごめいている。ライブの感動、迫力を、難しいとか先入観なしに届けたい。これからも子どもたちに受け継いでいきたい」

これからも山形交響楽団は、音楽の文化を次世代へとつなぐため、楽しい音色を奏でていきます。

山形交響楽団は、9月に札幌や帯広など北海道の学校でも公演を予定しているということです。

秋田テレビ
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