2日、高知市介良の中野団地では、朝から地元の住民が夏祭りの準備に追われていました。

住民:
「ポテトを揚げます」
「ただ、(揚げる機械の)電源がつかない」
「今(機械に)電気を送っています」

祭りの見どころは、少子高齢化で途絶えていた「子供みこし」の復活です。

きっかけは2025年5月、自治会長の大野さんが公民館の倉庫に眠る子供みこしを発見したことでした。

中野団地自治会・大野聡会長:
「コロナがあっていろんなイベントがなくなって、住民から『昔はにぎやかだった』という声も聞いている。これから中野団地が盛り上がっていくために、子供たちの力が必要」

自治会で話し合い、復活に向けて、6月に子供たちが飾りつけをしてリニューアルしました。

そして本番の日。

大野聡さん:
「(防災無線で呼びかけ)中野自治会よりお知らせです。もうすぐ子供みこしが出発します。待ってるよ!」

公民館に続々と子供たちが集まり、はっぴに着替えます。中野団地が総力をあげた手作りの子供みこし、いよいよスタートです。

ペンギン様のみこしには、地域のある思いが込められていました。

地域住民:
「公園の横に『ペンギン』というお好み焼き屋さんがあって、中野団地の皆さんのソウルフード。(みこしは)可愛らしくできた」

中野団地で44年間親しまれているお好み焼き屋さんをモチーフにして、日頃の感謝を伝えます。

ペンギン 落合義文店主:
「44年間営業してきて最高、うれしい。子供たちが成長して盆休み、GW、正月休みに帰ってきてペンギンを訪ねてくれたらうれしい」

この日の高知市の最高気温は、35.1度を記録。最初は元気いっぱいの子供たちでしたが、10分もたつとバテた様子を見せていました。

また、みこしの中には「介良の守り神」としてかわいらしいカエルが鎮座したものも。

大野 自治会長:
「カエル様。地元にカエル、介良にカエルという思い」

「子供たちが将来、県外に出てもいつか地元にカエル」そんな願いが込められた介良の守り神を高学年の児童が威勢よく担ぎます。

担いでいる児童:
「(揺らしすぎて)酔うぞ、守り神」

眺める住民:
「いいですねー懐かしい」

保育園の前を通ると、園児たちが鳴子で応援します。

13年ぶりに響く子供たちの「わっしょい」に団地が活気づきました。

高学年の児童:
「見守ってくれる人がいたので楽しかった」

低学年の児童:
「わっしょい言うところ楽しかった」

大野 自治会長:
「子供たちが大きな声で暑い中元気にやってくれた。介良の未来、高知の未来は明るいと思った。子供みこしがきっかけになって、いろんなイベントに派生して子供たちが毎日笑顔で過ごしてくれるような団地にしていきたい」

故郷の楽しい思い出をいつかまた次世代へー。子供みこしに託す地域の願いです。

高知さんさんテレビ
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