雨不足の影響についてです。現在、県内の4つの農業用ダムでは放流が制限されていてコメ農家などからは不安の声が聞かれています。
県内では2025年、観測史上最も梅雨明けが早かった影響など記録的な雨不足となっています。
県の北部や西部では直近1か月の降水量が平年の1割に満たないところもあり水不足が懸念されています。
このうち駅館川水系などの農業用ダム4つは4日時点で貯水率が45%を下回っています。
特に院内町にある香下ダムでは6日の午前9時時点で貯水率がおよそ22.4%と平年の84.6%を大きく下回っています。
こうした状況を受け、香下ダムを管理する駅館川土地改良区連合では4日からダムから放出する水の量を7割に減らし対応しています。
◆駅館川土地改良区連合田畑憲昭事務局長
「今後の見通しが立たないがまとまった雨を待つしかない状況。ダムの運用としては貯水率ゼロになった時点で、底水の取水を行うのかどうかも今後利用者と相談しながら考えていこうと思う」
宇佐市での稲作では9月末まで多くの水が必要ということですが、いまのペースで水の供給を続けると香下ダムでは8月20日にダムの水が底をつくおそれがあるということです。
農業には欠かせない水。稲の成長にも深刻な影響が出ていました。
◆TOS山路謙成記者
「こちらの田んぼでは本来この時期だと私のひざのあたりの高さまで稲が成長しているが、水が十分行き届いていない場所では稲が小さく影響が出ている」
宇佐市でコメを作っている田端心さんの田んぼでは香下ダムなどから水を引いていてこの時期は例年5センチほどの水が張られているそうです。
しかし、下流に位置する田端さんの田んぼではいま、水が足りておらず稲の生育がまばらな状態になっています。
◆農家 田端心さん
「ガラガラ。掘ってもそんなに水気がない。ガラガラ。この天気なので上流の人が水を入れたくなって下流の人は水を待っているが水が来ない感じ」
県内では7日から来週はじめにかけて雨が降る予想で田端さんも期待は寄せつつも、十分な量の雨が降るか不安を感じています。
◆農家 田端心さん
「足りはしない。ゲリラ豪雨みたいなものが災害級まで行くと困るが、ある程度の大雨が降ってくれたら、だいぶダム的にも田んぼ的にも助かる、そこまでどうかなという感じ」
日々深刻さを増している雨不足。
今後の収穫の時期に向けて田んぼや畑では恵の雨が待たれています。
大分県中津市では耶馬渓ダムの貯水率が低下していて、7日にも山国川で7年ぶりとなる取水制限が始まる可能性があります。
市によりますと、6日午後5時時点で耶馬渓ダムの貯水率は取水制限のかかる40%に近い42.6%となっています。
取水制限となれば山国川から取り入れる水の量は上水道で20%、農業用水で40%、工業用水で80%、それぞれ制限されます。
今のところ飲料水への影響はなく、仮に取水制限となった場合でも、すぐに市民生活への影響はないということです。
ただ、一部の水田では水不足が生じているということで、市は市民に節水を呼び掛けています。