ここ数年、大阪・ミナミのいわゆる「グリ下」には悩みを抱えた若者が集まっていて、犯罪に巻き込まれるケースが相次いでいます。

警察は被害防止や非行防止に繋ごうと”電話相談ダイヤル”を設置していますが、若者からすれば「警察への電話相談はハードルが高い」という声が聞かれます。

そんな状況を改善しようと、高校生が「LINEの相談システム」を開発し、きょう=31日、警察から感謝状が贈られました。

■大阪の高校生が”LINE相談システム”構築 警察「相談ダイヤル」利用促進へ

感謝状を受け取ったのは、大阪府立都島工業高校の3年生、朝田寛さん、奥田孔志さん、山崎智貴さん、堀内太稀さんです。

4人は大阪府警の少年たちの悩みに関する相談ダイヤル「グリーンライン」を若者にも知ってもらい、気軽に相談してもらおうと「LINE相談アカウント」を制作しました。

「グリーンライン」は去年200件の電話相談があったものの、認知度が低く、若者から警察への電話は心理的ハードルが高いという課題がありました。

そこで警察がインターネットなどの技術に詳しく、同年代の都島工業高校の生徒たちに相談したところ、4人から「LINE相談アカウントを作ってはどうか」という提案があり、2カ月ほどでシステムを構築しました。。

■相談アカウントは”AI”が自動返信 親しみやすいよう「新キャラ」も考案

この相談アカウントは、悩みに応じてAIが自動で返信するもので、直接相談したい場合は「グリーンダイヤル」の電話番号が表示されます。

4人は「警察というとガッシリしたイメージがあり、相談しづらい。丸くて柔らかいキャラクターになら相談しやすいのではないか」と考え、「みるほろ君」というフクロウのキャラクターも考案し、大阪府警の公式キャラクターに認定されました。

相談アカウントは今月7日から稼働しています。

■「グリコ」とコラボで看板が「QRコード」に 効果に手ごたえあり

今月18日には、「江崎グリコ」の協力を得て、大阪・ミナミの「道頓堀グリコサイン」の看板デザインを「QRコード」に変更する取り組みが行われました。

この「QRコード」を読み込むことで、「相談アカウント」に誘導されます。

運用開始から今月29日までにLINE登録は100人を超え、「グリーンライン」への相談は去年同時期の約2倍となる16件となったということで、一定の効果がみられるということです。

【大阪府警 少年課 北川龍少年指導官】「いま、どんどん広がっているのが実感できます。ありがとうございます。
相談できるのは強い証だというのは、広まっていくには時間がかかるが、いいスタートダッシュができた思います」

【都島工業高校3年生・朝田寛さん】「なかなかない経験なのでいい経験になった。電話の相談件数も増えたということで、やった意味あるんやと。実感になりました」

警察は「グリ下が悪いイメージというのが、世の中に広まっていると思うが、ここに行くことは悪いことではない。相談があるなら我々に話してほしい」と呼びかけています。

(2025年7月31日)

■悩みあれば「グリーンライン」に相談を

【大阪府警・グリーンライン】06-6944-7867

関西テレビ
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