中央道・恵那山トンネルの逆走事故で、逆走車を運転していた長野県阿南町の99歳の男性の息子が取材に応じ、「免許を返納するよう言っていたが、恐れていたことが起きてしまった」などと話した。99歳男性は山あいの町で一人暮らしをしていて、これまで息子が免許返納を促しても交通の便が悪いことなどから、返納をためらっていたという。

「恐れていたことが…」99歳が逆走

99歳男性の息子:
「(運転を)もうやめろとは免許更新の前から言っていた。恐れていたことが起こったというか。相手の方には本当に申し訳なかった」

こう話すのは逆走事故を起こした男性の息子。

6月11日午後1時頃、中央道下り線の恵那山トンネルで阿南町の99歳の男性が運転する軽乗用車が別の車と正面衝突。衝突された車の40代男性の運転手が大けがを負った。

右車線を逆走する車
右車線を逆走する車
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99歳男性は長野から岐阜方面に向けて正しい方向で走行。

その後、トンネルの出口付近のチェーン着脱場でUターンしてトンネルに戻り、逆走を始めたという。事故を起こすまでトンネル内を約3.7キロ、逆走を続けた。

ドライブレコーダーで撮影した男性は、逆走していた車を運転していた男性について、「顔をハンドルに近づけるような体勢で口をポカーンと開けて、どこかぼーっとしている様子だった」と話した。

99歳男性の免許は「ゴールド」

息子によると、99歳の男性は1人暮らしで、当時、車で買い物に行っていたという。

逆走した99歳男性の息子:
「買い物に行っていたのは確か。帰ろうとして、道を間違えて高速に。パニックになったのか勘違いしたのか、とにかく逆走した。本人も分かっていないのでは。原因とか聞いてもそもそも(耳が遠く)聞こえていないので会話があまり」

99歳男性の「ゴールド」の運転免許証
99歳男性の「ゴールド」の運転免許証

息子によると、男性は2025年3月に免許証を更新したばかり。耳は遠かったものの、認知機能の検査もクリアし、いわゆる「ゴールド免許証」だった。

山あいの町で生活 免許返納は…

長野県の南端、山あいにある阿南町。交通の便が悪く息子が免許を返納するよう促しても、これまで男性は受け入れなかったという。

長野県阿南町
長野県阿南町

逆走した99歳男性の息子:
「この辺の人は車はすぐそこに行くのにも使うみたいな感じ。(運転を)もうやめろとは前から言っていた。恐れていたことが起こったというか(事故を受け)免許返納も認めさせたし、廃車も認めさせた」

警察は過失運転致傷の疑いも視野に99歳の男性から話を聞いている。

(長野放送)

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