いつもより暑さが厳しい夏、要注意なのが…車の運転。
注意力が散漫になり、事故を起こしてしまうことも…。

数秒の“ぼんやり”が命取りに。厳しい暑さの中での夏のドライブ。
そこに潜む危険性とは?
「サン!シャイン」のスタジオでは、交通事故鑑定人の中島博史氏に解説していただきました。
酷暑の中「漫然運転」に注意
暑い夏は特に、漫然運転による交通事故に注意が必要です。

中島氏によると、「漫然運転」とは、集中力や注意力が低下した状態での運転のこと。
危険予知や的確な判断、操作ができなくなる状態です。ドライバーの死亡事故の原因1位になっています。

愛知県警がまとめた漫然運転の発生状況を見ると、7・8月は割合が高いことがわかります。
なぜ夏に多いのでしょうか?また、その対策はどうすればいいのでしょうか?
中島氏によると…。

・頭部(天井)付近に熱がこもりやすい
対策→エアコン吹き出し口を天井に
・エアコンで乾燥しやすく脱水状態の危険
対策→こまめな水分補給を
・内気循環モードでCO₂の濃度が上がり、眠気・注意力低下
対策→1時間に1度の換気が必要
・夏休みで家族が同乗、声かけで注意力が散漫に
対策→運転に注意を向けられるような声かけ

交通事故鑑定人 中島博史氏:
「信号が近づいてきたね」とか「右の車線が混んできたね」とかっていうような話は大丈夫ですけれども、「あれ見て」みたいなことは非常に危険です。
人間は反射的にそちらに視線がいってしまったりするので、そういうことは避けてほしいですね。
漫然運転? 急な車線変更で衝突
この漫然運転による事故や危険な瞬間をドライブレコーダーが捉えた2023年の映像。

よくみると「追突注意」の看板が…。さらに、映像の先に見えるのは、川に架かる大きな橋。
中島氏によると、緩やかな上り坂になっていて、知らず知らずのうちにスピードが落ちていくポイントでもあるといいます。

実際に、追い越し車線を見てみると、車間距離が詰まっていることがわかります。

すると、前方が詰まっているのに気づくことが遅れた車が急に車線変更し、

このドライブレコーダーの車に衝突。

衝突してきた車のドライバーは、“漫然と運転”していたとみられます。
交通事故鑑定人 中島博史氏:
おそらく一番右側の追い越し車線を走ってきた車が前の車だけぼんやり見ていて、ついていっているつもりだったんだけれども渋滞しているということで、それを避けようとして急ハンドルを切って、左の後ろを確認しないでハンドルを切ったためにぶつかったんだと思います。

谷原章介キャスター:
真ん中の車線の車(衝突されたドライブレコーダーの車)は、何か注意していたらかわすことができたのでしょうか?
交通事故鑑定人 中島博史氏:
特に夏休みとかだと、高速道路とかに慣れていない方は、急ぎたくて追い越し車線を走りがちなんですね。
追い越し車線が混んでいて走行車線側が空いているような状態だと、追い越し車線側だけ渋滞が生じたりすることがあります。なので、混み始めたなっていうのがあったら、できるだけそこから離れる。急な挙動を示すような車がいそうなところから離れるということをすると、事故に巻き込まれる可能性を減らせます。
責任がなくても結局事故に遭うと損してしまいますから、巻き込まれないようにというような運転が必要だと思います。
ドライバーモニタリングシステム AIS
漫然運転を防止するための、音声で注意喚起し安全運手をサポートしてくれるシステムがあります。

どういうものなのか?酒主義久アナウンサーがスタジオで実演しました。

酒主アナ:
ちょっときのう遅くまで仕事だったからな…眠くなってきちゃった…。
眠気で注意力が低下していると…。
〈機械音声〉
ピピピッ
運転に集中してください

酒主アナ:
ちょっと今日はまぶしいなぁ。
暑さでぼーっとしていると…。
〈機械音声〉
ピピピッ
運転に集中してください
AIがドライバーの癖を把握しているので、目の開き具合など異変を感じたらすぐキャッチし、アラームで注意喚起をしてくれるシステムです。
この「ドライバーモニタリングシステム」は、どんな車にも後から付けることができます。
(「サン!シャイン」7月30日放送より)