東京・東久留米市で20日、参院選の開票所から本物そっくりのニセ投票用紙38枚が見つかり、無効票となった。

また、投開票日には投票用紙を撮影しSNSに投稿する人も多かったが、特定候補者名を示す投稿は、公職選挙法違反となる恐れがあるという。

大きさも色もほぼ同じ…ニセ投票用紙の持ち込み発覚

今回の参議院選挙では、投票率が全国平均で58%を超え、前回と比べプラス6ポイント以上になった。しかしその裏で、新しい事実が判明した。

テーマは、『ニセ投票用紙の持ち込みが発覚 ソレってどうなの?』だ。

この記事の画像(14枚)

7月20日、投票が行われた参院選は東京・東久留米市の選挙管理委員会によると、開票所でニセの投票用紙が38枚見つかったことが分かった。

ニセの投票用紙は、いずれも実際の投票用紙と同じような色と大きさで、実在の候補者と政党名が書かれていたという。ただし、紙の質は明らかに違う物だった。

公職選挙法に基づき、全て無効票とした上で、東京都の選挙管理委員会と警察署に報告した。

選挙を所管する村上誠一郎総務相は…

村上誠一郎総務相:
総務省としては東京都の選挙管理委員会を通じて、状況の把握等を行っている最中である。全国の選挙管理委員会に対し、選挙事務の適正な管理執行を要請してきた。引き続き選挙の厳正な管理執行に万全を期し、取り組んでいきたい。

「投稿したよ」投稿…公職選挙法違反の恐れも

イット!のスタジオでは…

青井実キャスター:
山口さん、ニセ投票用紙が見つかったということです。

SPキャスター山口真由さん:
SNSで、鉛筆だと投票が書き換えられるみたいなウソの情報が流れたりしました。投票が信頼できない国にならないように、引き続き対応が必要かなと思います。

青井キャスター:
今回は、見つかってまず良かったなと思いますよね。

SPキャスター山口真由さん:
厳正な管理をしてるってことですね。

青井実キャスター:
そして今回の選挙戦では、SNSを使った戦いも盛んでした。そうした中、投票を巡るある投稿が話題となっています。

20代:
(投票)行ってきましたみたいな紙?を載せている。オススメに流れてくる。

青井キャスター:
そうなんです。「投票に行ってきました!」などとあげる投票報告。

20代:
見ました。(SNSに)結構あがってる印象。

40代:
「どこに投票しました」とか載せている人、結構いるなというのは見ました。検索したわけではないけど、目に付くところに出てきた。

青井キャスター:
中には、投票所で投票用紙の写真を撮影する人も相次いでいます。実際に投稿された画像ですが「候補者」や「政党名」を記入した投票用紙とともに投票報告をする人がいます。しかし、そこには意外な落とし穴があるといいます。

公職選挙法では投票所内での撮影を規制する条文はありませんが、高知市公式HPでは「投票所内での撮影は、ご遠慮願います」と記載があります。自治体によっては、他の有権者の秘密保持を理由などとし、トラブルを避けるために撮影を禁止しているところもあります。相次ぐ投票用紙の写真の投稿ですが、現代政治に詳しい法政大学の白鳥教授に聞きました。どのようなことが落とし穴になるんでしょうか?

法政大学・白鳥浩教授:
選挙期間は投票日の前日に終わっていて、投票日は「選挙期間外」になる。投票用紙に特定の政党や特定の候補者を書いて、選挙期間外に投票の依頼と取られる行動をすることは、公職選挙法違反と言われても仕方ない

青井キャスター:
投票用紙の写真をあげること事態は問題ないものの、選挙期間外となる投開票の日に投稿すると公職選挙法違反となる可能性があるとしています。SNSで投票を公表ということですが、白鳥教授は、若者の政治への関心を高める新しい動きだとする一方で、警鐘も鳴らしています。

法政大学・白鳥浩教授:
政治のアイドル化、政治の推し活化が行われているとも考えられる。今後、そうした組織的に自分たちが投票したことを示すことで「投票依頼」を、暗に示すような行動を取る団体も出てくることも予想される。公職選挙法でもSNSなどは、これから議論の対象とする余地がかなりあると思う。

投票率アップの一方で、新しい問題も出てきた。今後の選挙にどう活かしていくのか注目される。
(「イット!」7月22日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(14枚)