今回の参議院選挙、投票率が全国平均で58%を超えて前回と比べてプラス6ポイント以上になりました。
ただしかし、その裏で新しい事実が判明しました。
22日の「ソレってどうなの?」は、「ニセ投票用紙の持ち込みが発覚」をテーマにお伝えします。
20日に投票が行われた参院選。
東京・東久留米市の選挙管理委員会によりますと、開票所で偽の投票用紙が38枚見つかったことが分かりました。
この偽の投票用紙、いずれも実際の投票用紙と同じような大きさで色もほぼ同じ。
実在の候補者と政党名が書かれていたということです。
ただし、紙の質は明らかに違うものでした。
公職選挙法に基づいて全て無効票としたうえで、東京都の選挙管理委員会と警察署に報告しました。
そして22日、選挙を所管する村上総務相は「総務省としては、東京都の選挙管理委員会を通じて状況の把握等を行っている最中。全国の選挙管理委員会に対し、選挙事務の適正な管理執行を要請してきた。引き続き選挙の厳正な管理執行に万全を期し取り組んでいきたい」と述べました。
そして、今回の選挙戦はSNSを使った戦いも盛んでした。
そうした中、投票を巡る投稿で話題となっているのが「投票に行ってきました!」などとあげる投票報告。
中には投票所で投票用紙の写真を撮影する人も相次いでいるんです。
候補者や政党名を記入した投票用紙とともに投票報告をする画像も実際に投稿されました。
しかし、そこには意外な落とし穴があるといいます。
というのも、公職選挙法では投票所内での撮影を規制する条文はありませんが…自治体によっては他の有権者の秘密保持を理由などとして、トラブルを避けるために撮影を禁止してるところもあります。
今回相次いだ投票用紙の写真の投稿、どのようなことが落とし穴になるのか現代政治に詳しい法政大学の白鳥教授に聞きました。
法政大学・白鳥浩教授:
選挙期間は投票日の前日に終わっていて、投票日は「選挙期間外」になる。投票用紙に特定の政党や特定の候補者を書いていて、選挙期間外の時に“投票の依頼”と取られる行動をすることは公職選挙法違反と言われても仕方ない。
投票用紙の写真を上げること自体は問題ないものの、選挙期間外となる投開票の日に投稿すると公職選挙法違反となる可能性があるとしています。
SNSで投票を公表ということですが、白鳥教授は若者の政治への関心を高める新しい動きだとする一方で、警鐘も鳴らしています。
法政大学・白鳥浩教授:
“政治のアイドル化”あるいは、“政治の推し活化”が行われているとも考えられる。今後、そうした組織的に“自分たちが投票した”ことを示すことで、「投票依頼」を暗に示すような行動を取る団体も出てくることも予想される。公職選挙法でもSNSなどは、これから議論の対象とする余地がかなりある。
今後の選挙にどう生かしていくのか注目です。