「7月5日に日本で大災害が起きる」とのデマが観光業に打撃を与え、香港からの訪日客は33.4%減。専門家はインバウンド需要は約5600億円減少の可能性があると分析している。

大災害デマ余波で訪日観光客激減

「7月5日に日本で大災害が起きる」。うわさはうわさで終わった。

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デマのきっかけとなったマンガをパロディーにした香港の航空会社の広告がある。

予言を描いたマンガ「私が見た未来」をもじり、「私が見た最低日本価格」と銘打った割引キャンペーンを打ち出したのだ。

香港発、成田空港行きの往復航空券は驚きの約6500円だ。予言の日は過ぎたのに、一体なぜこんな価格になっているのだろうか。

神奈川・鎌倉市にある小町通りでは22日、外国から訪れた人たちからこんな声が聞かれた。

台湾から来た観光客:
日本に来るのが怖かったわ。7月5日までカウントダウンをしてたの。夜も寝られなかった。

外国人観光客が多く利用する、練り物専門店「鎌倉小町通り あさひな」の店長はこう話す。

鎌倉小町通り あさひな・松田健志店長:
中国系の人が減ったのは分かりましたね。(売り上げが)2〜3割は減ったかな。

「うわさ終結日」割引キャンペーン実施

デマは、予言の日を過ぎても観光に大きな影を落としていた。

日本政府観光局によると、6月の香港からの訪日客の数は、2024年に比べて33.4%減少した。

香港の航空会社「グレーターベイ航空」は、鳥取県にある米子空港と香港を結ぶ国際定期便について、9月から運休することを決定している。

こうした状況に香港の旅行会社が実施した割引キャンペーンは、その名も「うわさ終結日」。

実はうわさはアジア全体に広がり、インバウンド需要に大きな打撃を与えていた。

マレーシアから来た観光客:
日本に来るのは不安だった。電車を乗る時も不安で海を見たわ。

香港の航空会社などが打ち出した割引キャンペーンで、激減した訪日客を回復させることができるのだろうか。

台湾から来た観光客:
航空チケットがすごく安くて、2万5000円もお得になったわ。

専門家は今回の予言騒動で、日本のインバウンド需要が約5600億円のマイナスが出る可能性があると話す。

野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト・木内登英氏:
秋口にかけて、訪日客の訪日控えと国内での需要の低下の影響が残るのではないか。
(「イット!」7月22日放送より)

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