学歴詐称問題をめぐり“出直し選挙”に臨む考えを表明した静岡県伊東市の田久保眞紀市長。8日午後、騒動で多くの電話などが殺到し、疲弊している市の職員に対し謝罪した。
一方、伊東市の人々からは、わずかの期間での再選挙に「税金が無駄」との声も相次いでいる。
“チラ見せ”卒業証書は「本物と信じている」何度も主張
田久保眞紀市長:
職員のみなさまにも大変不安とご迷惑をおかけしたということで…。

8日午後5時過ぎ、改めて職員に対しての謝罪を明らかにした、静岡県・伊東市の田久保眞紀市長。

8日正午頃、市役所に登庁した際には「高齢の母が心労で倒れまして、すみません。こんなふうに遅刻してくるなんてあれなんですが、申し訳ございません」と話した市長。
当初、午前中に予定されていた政策会議は午後からに変更となった。

田久保眞紀市長:
必要な手続きが終えましたら速やかに辞任したい。
市民の皆様のご判断を仰ぐために、私は再度市長選に立候補したい、そのように考えています。
7日夜の記者会見で、市長を辞職したうえで出直し選挙に臨む考えを表明した田久保市長。

田久保眞紀市長:
大学の記録においては除籍となっています。市の広報いとうに「東洋大学・法学部経営法学科卒業」と記載されていた件につきましては、事実に反する記事であることを認めたいと思います。

市の広報誌にも記載されていた「東洋大学法学部卒業」という学歴について“事実と異なっていた”と説明した。
そして質問が相次いだのが疑惑の“卒業証書”について。
田久保市長は、市議会の議長などに“卒業証書”なるものを“チラ見せ”したとされているが…。

田久保眞紀市長:
私のほうは「本物」であると思いまして、必要であると思った方にお見せしております。
本物であるということに不自然さを感じずに来ておりますので…。

大学の「除籍」は認めたものの“卒業証書”は存在し「本物だと信じている」と何度も主張。
「卒業証書」や「卒業アルバム」「在籍期間証明書」を上申書とともに検察に提出し、調査を委ねるとした。

市長の会見から一夜明け、伊東市の人々からは「議長・副議長に見せた証明書ですか、あれもはっきり言わなかったでしょ。辞任はしょうがないだろうな」「私の周りは怒りですね。最初から謝っちゃえば、こんなに騒がれないで済んだ。辞任してまた選挙、なんですかあれ」「もう一回(選挙)やって立候補すると言ってるけど一般の人は投票しますかね。また選挙となるとそれなりのお金もかかりますしね、どうなんでしょうね」といった声が聞かれた。

市長の辞職には賛成も、伊東市では5月に市長選が行われたばかりで、その時3000万円あまりの費用がかかっている。

わずかの期間での再選挙に「税金が無駄」との声も相次いだ。
その一方で「伊東市がどう変わっていくのかなと期待してましたけど、ちょっとあまりにも残念なことでいなくなっちゃったなって感じです」と残念がる人もいた。
また、学歴詐称問題で騒動となった東洋大学の現役学生にも受け止めを聞いてみると「悪い意味で広まってる、大学の名前が。良いメージはないです」「東洋大学の名前を出してる以上は、自分の言動にも責任を持たなければいけないと思ってるんで、東洋大生としてあまり良いことではないなと思います」「年代が全然違うので今の世代には、あんまり影響はそこまでしてないと思います」といった様々な意見が聞かれた。
市の職員に対し謝罪した田久保眞紀市長
8日午後、市のホームページに田久保市長は謝罪文を掲載。

静岡・伊東市のホームページより:
全ては私の不徳の致すところであり、その責任を重く受け止めております。
そして騒動後、多くの電話などが殺到し、疲弊している市の職員に対し謝罪した。

田久保眞紀市長:
職員のみなさまにも大変不安とご迷惑をおかけしたということで、謝罪をさせていただきました。市政に混乱がないように私の方がしっかりと務めてまいりたいと思っているというその気持ちを伝えさせていただきました。

学歴詐称問題に揺れる伊東市。田久保市長が辞職した場合、50日以内に市長選が行われることになる。
(「イット!」 7月8日放送より)