先週、多くのファンが別れを惜しんだ和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドのパンダ4頭が中国に返還された。
これから4頭が暮らすのは、世界で最も多い200頭以上のパンダが飼育されている中国・成都の「ジャイアントパンダ繁殖研究基地」。
そこでは野生のパンダの生息地に模した環境を作られるなど、4頭にとっては過ごしやすく整備されているようだ。

■4頭のパンダが28日、中国・四川省の空港に
記者リポート:4頭のパンダを乗せた飛行機が今、成都の空港に降り立とうとしています。
28日、中国・四川省の空港に無事、到着した4頭のジャイアントパンダ。元気そうな様子も公開された。
このパンダたちは…そう!
来園者:彩ちゃん、ありがとう。
先週、涙、涙の別れをした和歌山県白浜町アドベンチャーワールドの良浜とその子ども結浜、彩浜、楓浜。
アドベンチャーワールドでは、31年前に中国からパンダが貸し出されて以来、17頭の赤ちゃんパンダが誕生。
秦アナウンサー:転がっている!パンダが前転をしている。
その愛らしさから、たくさんの人を魅了してきたが、28日、最後の4頭が中国に返還されたのだ。
では、4頭はこれからどんな場所で暮らすことになるのか?現地を緊急取材した!

■「ジャイアントパンダ繁殖研究基地」にはアドベンチャーワールドにいたパンダファミリーが
中国・四川省へ向かうと…
世界のパンダの8割がいるともいわれている四川省の街、パンダグッズであふれています。検疫を終えた4頭が暮らすことになるのが、成都市にある「ジャイアントパンダ繁殖研究基地」だ。
記者リポート:ご覧ください。こちらの広大な敷地すべてパンダ繁殖研究基地なんです。
広さは大阪・関西万博の会場2つ分!「パンダの聖地」とも呼ばれ、世界中からパンダ目当ての観光客が訪れる。
ここには、パンダ!パンダ!パンダ!世界で最も多い200頭以上のパンダが飼育されていて、多くが一般公開されている。
その中には…
記者リポート:いましたいました!桃浜です。台の上でゆったり過ごしています。
おととしアドベンチャーワールドから中国に返還された桃浜の姿が。名前もそのまま!そして、桃浜と一緒に誕生した双子パンダ、桜浜も。ここでは、アドベンチャーワールドで過ごしていたパンダファミリーが何頭も暮らしているのだ。

■パンダが過ごしやすくするための様々な工夫が
パンダたちが過ごす環境は…?パンダの繁殖を担当している日本人飼育員の阿部展子さんに施設を案内してもらった。
成都パンダ基地飼育員 阿部展子さん:この室内には2頭の親子がいます。台の上で寝てるのが子供で、下で寄りかかって竹を食べているのがお母さんですね。
こちらはジャイアントパンダの出産や育児のための「月の産室」という施設。
(Q.2頭でかなり広いですね?)
成都パンダ基地飼育員 阿部展子さん:これでも狭いなと思ってしまうくらいこっちの環境に慣れちゃったんですけど。
そして施設の中には、パンダが過ごしやすくするための様々な工夫が。
成都パンダ基地飼育員 阿部展子さん:台をちょっと高めに作ることで、お客さんの目線から少しずらすことで、よりパンダが安心して休息をとることができます。野生のパンダの生息地に模した環境を作っている。

■中国で4頭のパンダが公開される日も?
快適な環境でゆったり過ごすパンダたち。
そして、気になるのがこれからこの施設で暮らす良浜たち4頭の行く末。
(Q4頭に会える可能性はありますか?)
成都パンダ基地飼育員 阿部展子さん:検疫が明けて基地の各施設スペースにそれぞれ移っていくと思うんですけど、お客様からも見られるスペースに行くことになると思うので、楽しみにしていただきたいです。4頭が健康で、できるだけ早くこちらの環境に慣れてもらうことが、私たち飼育員の希望ですね。
日本で愛され続けた4頭のパンダ。中国でその姿が公開される日もそう遠くないかもしれない。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月30日放送)
