2024年5月、あわら市内のホテルで当時3歳の実の娘を浴槽に沈めて殺害しようとしたとして殺人未遂の罪に問われた母親の裁判員裁判が、27日から福井地方裁判所で始まりました。母親は起訴内容を認めました。
 
殺人未遂の罪で起訴されているのは住居不定・無職の中田みさと被告(38)です。起訴状によりますと、中田被告は2024年5月21日昼頃、あわら市内のホテルの浴室で当時3歳の次女を湯水が張られた浴槽に沈めて殺そうとしたとされています。
 
27日から始まった裁判員裁判の冒頭、中田被告は起訴内容について「間違いありません」と認め、弁護側も争わないとしました。
 
事件の経緯について弁護人から問われた中田被告は、コンビニで働きながら1人で娘2人を育てる苦しい家計の中、勤務先で売上金を横領したことが発覚し「子供と一緒に死のうと思った」と動機を話しました。
 
一方、検察官は中田被告への事件後の鑑定の結果、知能指数が低い「境界知能」と呼ばれる状態であったことを明らかにしました。
 
しかし、検察官は次女を浴槽に沈めた行為の悪質性や次女の意識が回復する見込みがないという結果の重大性を指摘し「酌量の余地はない」と主張しました。
 
これに対して弁護人は、被告は深く反省していて「境界知能」で冷静な判断ができなかったとして「酌量の余地はある」と反論しました。
 
裁判は7月2日に審理を終え、4日に判決が言い渡されます。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。