四国地方で梅雨明けが27日に発表され、愛媛でも本格的な夏の訪れで厳しい暑さが押し寄せようとしています。すでに野菜に影響が出ていて、松山市ではトマトの収穫を断念した農家も。悲痛な声が聞かれました。
例年なら赤々とみずみずしく実っているはずのトマト。しかし今年は農業用ハウスに入ると、目の前に広がっていたのは、枯れた枝葉としおれたトマトがズラリと並ぶ衝撃的な光景。ほぼ全滅しています。
このハウスでトマトを栽培していたのは、松山市の北条地区にある「風早山本農園」です。
風早山本農園・山本克樹さん:
「梅雨の中日の30度超が続いた頃からだんだんとしおれて枯れてきた。初めてです。24年間作ってこういう状態になったのは」
夏野菜のイメージがあるトマトの原産は南米のアンデス高原。栽培の適温は意外と低く28度です。
愛媛では16日の週に観測史上最も早い猛暑日になるなど、外気温が30度を超える日が続き、ハウスの中は約40度にまで温度が上がっていたと言います。
山本さん:
「ヤケドというか熱中症の重症。人間でいうと」
栽培していたのは中玉トマト。糖度が8度以上のフルーツトマトになるように育ててきたことも影響に拍車をかけました。普通の栽培よりは若干水が少なく与えていたため、余計にダメージが大きかったといいます。
例年だと7月10日位まであと約600キロ収穫できるはずだったものの、20日に今シーズンの収穫を断念しました。
山本さん:
「家族と同じ。それだけトマトを力入れて作ってました。だから余計に今回ショックで」
そして梅雨が明け、これから訪れるのが本格的な夏の厳しい暑さ。影響が懸念されるのはトマトだけではありません。
山本さん:
「3日前に植えました。穂が出るのがちょうど暑いお盆の時期なんで、そのころに高温とか水不足になると収穫量に影響が出てくる。(酷暑だった)おととしは100獲れていたら60%(の収穫量)」
この農園ではコメも栽培。暑すぎると実りに大きな影響が出ると心配しています。
山本さん:
「野菜売り場にはすごく立派な、みんなが一生懸命作ったお野菜、新鮮なお野菜が一杯並んでいると思うんですけど。その品は多分一部だと思うんです。みんな苦労して涙流して半分は廃棄したり。そういう農家の努力とか苦労を思いながら食べていただければ幸いです」
農家を取り巻く環境は、気候の変化だけでなく栽培にかかるコストの高騰や高齢化など年々厳しくなっているなか、早すぎる暑さが追い打ちをかけています。
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