社会で必要になる力は何?
習い事についても、子どもが本気でやりたいと思うものに絞ってみてはどうでしょうか。たしかに、多くの時間を勉強に割いていけば、学校や塾でのテストの点数が上がったり、志望校への合格期待値が上昇したりといった目に見える結果が出てくることでしょう。
でも、本書で繰り返しお伝えしているように、社会に出てから必要になる力は、もっと別のところにあるのです。
友達と遊ぶ中での工夫や発見。ちょっとした失敗や、それを乗り越える経験。一見、何もしていないように見える時間の中で、子どもたちは確実に成長していくのです。

高学年になると、自分で目標を立て、計画を作ることもできるようになってきます。受験であれ、スポーツであれ、子どもが「これをやりたい」と思ったことに対して、どう時間を使っていくか。実際、スケジューリングを任せてみたら、遊びに誘われて計画が狂うこともあるでしょう。
でも、それも含めて主体的な学びです。社会に出れば必ず求められる時間管理の練習にもなります。
私はすべての習い事を否定するわけではありません。ただ、放課後時間の設計図を描くとき、ぜひ「余白」を残してほしい。
子どもたちが自由に過ごせる時間、友達と遊べる時間を大切にしてほしい。その時間はけっして無駄ではなく、むしろかけがえのない成長の機会なのです。