いま、多くの子どもたちが放課後を過ごしている学童。

民間学童保育施設を運営する島根太郎さんによると、実は小学生にとって、学校で過ごす時間より放課後や長期休暇の時間の方が長いという。そして、その時間こそ、非認知能力を育んだり人間力を伸ばしたりする時間が大切だとする。

著書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社+α新書)から、一部抜粋・再編集して紹介する。

自由な時間で身につく非認知能力

自由な放課後時間の中で身についていくのが、非認知能力です。認知能力に「あらず」をつけての非認知能力とはどういったものか。

まず認知能力とは、数値で測れる能力のことです。わかりやすくいえば、「これは何点だ」と点数をつけられる力のこと。代表例は学力で、算数も国語も社会も理科も英語もテストの点数で力を測ることができます。

点数のつけられない能力が非認知能力(画像:イメージ)
点数のつけられない能力が非認知能力(画像:イメージ)
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一方、非認知能力は点数のつけられない能力全般のことです。想像力、集中力、判断力、好奇心、やり抜く力といった内面的なもの、共感性や公共心、コミュニケーション力などの他者との関わりを築いていく社会的なスキル、またそれらを含んだ本人の人間性も非認知能力に含まれます。

経済協力開発機構(OECD)では、非認知能力を「社会情動的スキル」(social and emotional skills)と呼び、自分の感情面をコントロールする情緒的スキルと他者との関わりをつくる社会的スキルに分類し、生涯にわたって伸ばしていける能力として重要視しています。

認知能力と非認知能力の違い

例えば、子どもたちの日常のこんなところから認知能力と非認知能力の違いが見えてきます。算数ドリルの計算の問題を10問解くという宿題が出たとしましょう。