共働きの場合、子どもを学童に預けている人は多いだろう。その学童で過ごす時間を子どもたちは有意義に過ごせているだろうか。

民間学童保育施設を運営する島根太郎さんによると、小学生は学校で過ごす時間より、放課後や長期休暇の時間の方が長いという。その時間で習い事などをすることもあるが、島根さんはそんな貴重な時間こそ、価値あるものにしてほしいとしている。

その時間は誰からも何も言われることのない「ぼんやりする時間」だ。

著書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社+α新書)から、一部抜粋・再編集して紹介する。

学校教育時間<学童保育時間

そもそも学童保育と聞いたとき、あなたはどのような場所をイメージしますか?

今まさに小学生のお子さんを通わせている保護者の方は、毎日足を運ぶ身近な施設がパッと思い浮かぶでしょうし、小さなお子さんを子育て中の保護者の方は、「そういえば、小学校のそばにあったかも…」と学校の敷地にある建物に小学生たちが集まっている場所を思い起こすかもしれません。

もともと学童保育は、働く女性の数が増加し、いわゆる「鍵っ子」が社会問題化した高度経済成長期に、保護者の自主運営や市町村の事業として広がっていった仕組みです。

ですから、地域によって運営のあり方が違い、隣接している東京都と神奈川県の人でも学童保育という言葉からイメージする姿が異なります。

学童は地域によって運営のあり方が異なる(画像:イメージ)
学童は地域によって運営のあり方が異なる(画像:イメージ)
この記事の画像(5枚)

現在、学童保育の運営は三つの形式で行われています。

一つ目は、行政が施設の設立と運営業務を行う「公立公営」。二つ目は、行政が施設の設立を行い、運営業務に関しては民間企業などに複数年にわたり包括的に委託する「公立民営」。

三つ目が、民間企業などが施設の設立、運営業務を行う「民立民営」のいわゆる民間学童(KBCは三つ目の民間学童としてスタートし、現在は港区、新宿区、大田区、目黒区などから運営業務を受託して公立民営の学童保育事業も行っています)。

昭和30年代に学童保育事業が始まった頃と比べ、近年は子どもたちが自由に遊ぶことのできる場、機会は減っていて、習い事や塾が増え、保護者の働き方も大きく変わりました。