この10問をどれだけ間違いなく、速く答えられるのかで見えてくるのが認知能力です。間違いと正解の数ははっきりと数字にできますし、10問解くのにどれくらいの時間がかかったかも、はっきりと数値化できます。速く正確だった順に順位をつけられるのが認知能力です。

それに対して非認知能力は、数値化できません。でも、子どもたちの様子を見ると、伝わってくるものがあります。

難しい問題に直面したときの姿勢は非認知能力のひとつ(画像:イメージ)
難しい問題に直面したときの姿勢は非認知能力のひとつ(画像:イメージ)

算数ドリルの宿題に対してのやる気や集中力はもちろん、ちょっと難しい問題が途中にあったとしても、「やめたー」とならずに挑戦する能力。

あるいは、途中で飽きてやめてしまった後、しばらくして再開するやり直す力。その他、わからない問題について「ここわからないから、おしえてー」と保護者や友達に聞けるコミュニケーション力も、非認知能力側にあるものです。

どれだけ速く正確に解ける力があっても、わからない問題が一つあったら挫(くじ)けてしまうようなら親はやきもきしますし、基本的な問題でつまずいて「うちの子は計算苦手で大丈夫かな…」と心配でも友達に聞きながら宿題を済ませてしまう一面を知ったら、「聞ける子に育っていていいな」と思います。

学習において、認知能力と非認知能力はお互いに影響し合います。非認知能力が土台となって認知能力が伸びることはよく知られていますが、認知能力の高さが自信となって非認知能力の土台が厚みを増すこともある。つまり、どちらも子どもたちにとって重要な力なのです。