TOKIOの国分太一さんが過去に複数のコンプライアンス上の問題行為があったとして、出演番組の降板が決まった。

日本テレビは、タレントの国分太一さんについて、過去にコンプライアンス上の問題行為が複数あったことを確認したとして、「ザ!鉄腕!DASH!!」への出演を継続することは適切ではないと判断し、番組降板を決定したと発表した。

降板については、第三者の弁護士による調査結果などを踏まえて決定し、臨時取締役会で承認を得たとしている。

国分さんとの話し合いの中で、すでに番組降板の決定を伝えており、国分さんも了承。「ザ!鉄腕!DASH!!」の放送については継続するとのことだ。

関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
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■日本テレビは「先月27日に覚知」 国分さんは「本当に申し訳ないと言っている」

日本テレビの福田博之代表取締役社長は会見で、コンプライアンス上の問題がどのようなもなのかについては明言を避けていて、関係する複数の人のプライバシーに配慮して、という発言があった。

「いつ知ったのか」という質問に対しては、「5月27日に覚知し、関係幹部で共有、外部の弁護士にお願いし調査に入った」と答え、この事案の刑事告訴については、「そういった事案ではないので考えていない」と答えた。

さらに日本テレビの社員の処分について聞かれると、「ございません」と答えている。

日本テレビの会見内容  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
日本テレビの会見内容 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

問題の深刻度については、「当然深刻なものであり、残念だと思っています」と答え、日本テレビの責任を問われると、「コンプライアンス上、問題ある行為をした人の起用に責任を感じている」と述べた。

そして、国分さんは番組降板について何と言っているのかという質問に対しては、「本当に申し訳ないと言っている」と答えている。

日本テレビの会見内容  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
日本テレビの会見内容 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■芸能記者・中西正男さん「会見で見せるべきものは“事実と覚悟”」

芸能記者の中西正男さんは、20日放送の 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演し、「会見で見せるべきものは“事実と覚悟”だ」と会見を開く意義について述べ、事実を何も語らないことで憶測をよぶ恐れがあると指摘した。

中西正男さん:会見で見せるべきものは2つしかないと、それは“事実と覚悟”。社長さんが出てきて、誰かを横に従えるわけでもなく、紙を見るわけでもなく、記者からの質問に対して自分が全部答えるというか、対応するというのは、ある種“覚悟”は見せたかなとは思います。

中西正男さん:ただ、会見をするにしたら一体何があったのか。被害者がいらっしゃるかどうかも言っていないのですが、もしいらっしゃるんだったら、その人のプライバシーに配慮するのは大事なことですけど、例えば『誰とは言えないけど、こういうふうなことがあったんだ』ということを言うのなら、ある意味会見をやった意味があります。

中西正男さん:今のところそこがほぼゼロなので、それだったらなぜ会見をそもそもやったのか。これだけ何もおっしゃらないっていうのも、なかなかない。なぜ何もおっしゃらないのかという理由、『向こうに何があるのか?』とどうしても考えてしまいます。

中西正男さん  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
中西正男さん 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■石戸諭さん「責任があるので答えますっていう方がフェアだと」

また、元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭さんは、会見での対応について、日本テレビはあくまでもメディア企業としたうえで、「あまりにもブラックボックスすぎる」と指摘した。

石戸諭さん:日本テレビも報道局を持っている、あくまでもメディア企業なので、じゃあ日本テレビの記者たちは今後こういうふうに社長が何も言いませんという会見をいいですと言えるか。おそらく言えないはずなんです。なぜなら、要求する側だから。

石戸諭さん:そういう企業の社長であることを考えるのだったら、日テレの記者たちだって会見をやれやれと要求してきたでしょうから、それに対して責任があるので答えますっていう方が僕はフェアだと思います。

石戸諭さん:この問題に関してはもう一つあって、TOKIOというグループは国分さんも含めて「ザ!鉄腕!DASH!!」という番組は、2011年の東日本大震災以降、福島の復興にも大きな力を持ってきた番組です。福島の復興とか、あるいは福島を見捨てないという活動をずっと続けてきているし、いろんなプロジェクトにも関わってきている、県のプロジェクトにも関わってきている。

石戸諭さん:ある意味では公的な存在であるということがすごく大切なところです。問題を起こして番組降板はさせるけど、その問題は言えませんというのは、あまりにもブラックボックスすぎる。日本テレビの対応として、今後、日本テレビはもし仮にこういう問題が起きたとしても、他局あるいは他者に対して何も言わないのかというツッコミどころを与えてしまう。そういう対応になっている。

石戸諭さん  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
石戸諭さん 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■「『ごめんなさい、何も言えません』はより一層、筋通らない話」

国分さんは現在、ラジオを含め、6本のレギュラー番組を持っている。

中西正男さん:影響は大きいですよね。いろいろ番組を持っている事実もありますけど、例えば国分さんが何か個人的な問題を起こしたとするならば、会見するなら国分さん個人か、あるいは国分さんが所属している株式会社TOKIOですから。

中西正男さん:一取引先である日本テレビが会見するということは、何かしら日本テレビと国分さんの間で問題があったはず。そうじゃないと日本テレビが会見する意味がないですから。日本テレビと国分さんとの間で何かないと、会見する立場にもないですから。わざわざ会見しているわりに、『ごめんなさい、何も言えません』は、より一層、筋が通らない話かなと思います。

青木源太キャスター:フジテレビでの問題があって、今回の問題に対して、対応も含めて影響を与えていると思いますか?

中西正男さん:例えば何か社内で問題があったのに、それに目をつぶって有力なタレントさんを使い続けたとなったら、それはまさにフジテレビで問題になったことと同じ形になります。それがあって、いろんなテレビ局の中でも、コンプライアンス違反などがないかという聞き取りをやっているのは、日々いろんなところで聞いています。

中西正男さん  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
中西正男さん 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■元・日テレアナウンサーの青木キャスター「一人のタレントの降板に関して臨時取締役会は極めて異例」

石戸諭さん:もし仮にフジテレビの問題とか受けて、すぐ調査の中で上がってくるとしたら、おそらく昨年度には上がってきたところだと思う。けれど覚知したのは今月27日っていうことですので、調査とはまた別の何らかの訴えがあったと考えることもできます。

石戸諭さん:(元・日本テレビアナウンサーの青木キャスターに質問で)いずれにしても今の段階で、いちタレントの降板人事で、臨時取締役会までやるということ自体はよくある話なんですか」

青木源太キャスター:極めて異例だと思います。タレントさんの降板や出演を決めるのは、上がっても制作局長とか制作を担当する役員であって、一人のタレントの降板に関して、臨時取締役会が招集されるというのがまず極めて異例だし、それを受けて社長が会見を行うというのも極めて異例なことだと思います」

石戸諭さん:(取締役会や会見というのが)フジテレビ問題以降の、コンプライアンス問題を受けてのテレビ局の対応という形に、もしかしたらなっているのかもしれないですね。今回の会見を見ている限りだと、プラスに働いていると思えない。逆に憶測を呼んでしまう。

石戸諭さん:この手の話というのは、常に水面下でいろんな情報が流れてくるんです。今のところ、決定打は確かにどこも出せてない状況。あまりつかませないという意味で、そういう対応になったのかなと思います。

青木源太キャスター  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
青木源太キャスター 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■「もう少し何があったのかを説明する責任は日テレにある」と豊崎由里絵さん

元テレビ局のアナウンサーで現在はキャスター・コメンテータとして活躍している豊崎由里絵さんは、「もう少し何があったのかを説明する責任は日テレにある」と述べた。

豊崎由里絵さん:話せないことがあるという前提で来ているけれども、隠蔽がないことと、社員の関与がなかったというところは、はっきりと明言しているわけです。ということは、きっと日本テレビの社員を守るための会見なんだと思うんです。

豊崎由里絵さん:それはそれであるべきだと思うのですが、プライバシーへの配慮という一定の理解はできますが、中居さんの件のときは、各局で調査が行われて、実際にセクハラ事案が出てきたわけですよね。

豊崎由里絵さん:国分さんの知名度と社会的影響力を考えたら、日テレの方にしか何が起きたか分からなくて、他に国分さんと仕事をしている人は誰を守ったらいいのかが見えていないわけです。そういう意味で自分の会社で、国分さんとお付き合いがあった人が、どんな調査をしたらいいのかも分からないので、もちろん被害者がいるとしたら、被害者のプライバシーの配慮は前提にした上で、もう少し何があったのかを説明する責任は日テレにあるのかなと思います。

豊崎由里絵さん  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
豊崎由里絵さん 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

今後、この問題はどうなっていくのだろうか。

中西正男さん:国分さんが自分の口で、自分からの発信で何をおっしゃるのか、ここに尽きるでしょう。会見って、会見が始まる前よりも、会見が終わった後に『ああ、そういうことだったのか』っていう感覚が広まらないと会見をやった意味がない。

中西正男さん:この(日本テレビの)会見をご覧になった多くの人が、『そういうことだったのか』と思うのかどうかは、疑問だと思います。

中西正男さん  関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
中西正男さん 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年6月20日放送)

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