19日も関西各地で猛暑日となった。
エアコンが欠かせない季節ですが、取り付けなどを自力で行う「素人配線」により、
大きなトラブルを招くケースがあるという。
夏に必須の家電に潜む、思わぬ落とし穴を取材した。

■連日続く暑さ 売れ行き好調なのがエアコン
19日も暑かった、関西。京都市では、最高気温36.1℃を記録した。
観光客:暑いです。最初着物着ようといってたんですけど暑すぎて迷わず浴衣できました。
そんな中、家電量販店で売れ行き好調なのが・・エアコンだ。
ジョーシン日本橋店 小泉凱さん:例年以上の気温の上昇が見込まれますのでやはり駆け込み需要が増えてくると思います。
また、この時期に、エアコンのお手入れをしておくことも重要だということで・・。
パナソニックエアーマイスター 福田風子さん:食べ物や飲み物以上に体内に取り込まれるのが室内の空気。エアコンの中の清潔は非常に重要。何もしなければ短期間でもカビが発生しやすい。室内環境の悪化だけではなくて人によっては体調への影響がないとはいえない。

■エアコンの取り付け 自分の力で作業をする人も
一方、物価高の中で、エアコンに関わる「工事費用」は気になるところ。特に購入後の取り付け工事は、数万円かかることも多く、決して安くはない。
そんな中で・・。
記者リポート:YouTubeでエアコン取り付けと検索すると、DIY(日曜大工)や素人でもできるといったタイトルで取付方法を紹介する動画が表示されます。
ネット上には、配線の方法などを紹介する動画が。業者に依頼せず、自分の力で作業をする人もいるようだ。
しかしこの「素人配線」、一歩間違うと・・
大惨事につながる可能性があるというのだ。一体どういうことなのか?

■「銅線がむき出しになっているとバチンってなったり」
エアコン取付工事の現場を緊急取材した。この日、エアコン工事歴5年以上の中原さんが訪ねたのは大阪府・大東市内の住宅。
依頼者:うちの息子より年上やから。
購入してからおよそ35年になるというエアコンが、動かなくなってしまったという。
関西エアコン本舗 中原博彰さん:6月入ってからはすごい量の(予約)きてますね。(Qご自身も汗だく)そうなんですよ・・特にいまの時期はやばいですね。
エアコンの効かない、あつーい部屋で工事開始。手際よく作業を進めていくが・・早速、「注意ポイント」が。
関西エアコン本舗中原博彰さん:あまり電気の勉強していない方はこの銅線のつくりが下手で。銅線っていうのがむき出しになっているとほこりがふれあうと”短絡”っていってバチンってなったりする。

■エアコン事故のうちおよそ6割は外部からの延焼が原因と考えられる
こうした、機器同士の接続を誤ると、重大な事故にも。
こちらの実験では、電源コードを不適切な形で継ぎ足し。電源をつけてしばらくすると・・。
接続部分から、火がついた。
実は昨年度までの5年間に起きたエアコンの事故のうち、およそ6割は本体の問題ではなく、外部からの延焼が原因と考えられるもの。
強引な作業が、火事を招く可能性もあるのだ。
関西エアコン本舗 中原博彰さん:(Q無理やり繋いでもエアコンは動く?)動きます。エアコンは電気さえ流れれば動く。なのでやっかいなんですね。

■室外機に空気が入ると爆発することも
その後、中原さんは室外機の設置作業へ。ここにも大きな落とし穴があるそうで。
関西エアコン本舗中原博彰さん:空気入ったらだめなんですよ。ガスを圧縮しているコンプレッサーの中にエアが入ると膨張するので破裂する。
エアコンは室外機との間を「冷媒」と呼ばれるガスが循環することで気温を調整していますが、室外機に空気が入ると、中で膨張してしまう。
最悪のケースにつながる恐れも。空気が混入した状態で、室外機の移設作業をすると。
「ボカーン」
なんと室外機が爆発した。実はちょっとした失敗で、大きな事故を招きかねないエアコン工事。結局、専門の業者でも1時間半かかった。
依頼者:ありがとうございました。素晴らしいすごくいい。涼しなるわ。
関西エアコン本舗中原博彰さん:(エアコンは)向こう15年使っていくので多少お金かかかってもプロに頼んでもらって15年使ってもらうほうがいいのかなと思いますね。
エアコンなしでは耐えられない、日本の夏。うかつな作業によってトラブルを起こすことなく、快適に過ごしたいものだ。

■「必ず専門の業者に任せる方がいい」
菊地幸夫弁護士:作業内容によっては電気工事の資格がないとできないような部分もあるということですからね。だからプロに任せて。だって、万が一これ、命にも関わることですからね」
吉原キャスター:エアコンを取り付ける時に専門的な知識技術がいるって改めてよくわかりますね」。
関西テレビ 神崎博報道デスク:恐らく作業費を安くするために自分でやろうとするんですが、素人がやって爆発したりとかすると、新品のエアコンがだめになってしまって、かえって高くつくこともあるので、必ず専門の業者に任せる方がいいと思いますね。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月19日放送)
