体にこたえる暑さを乗り切るためには、今の時期から養生していくことが重要になる。
胃腸に湿気がたまりやすい梅雨の季節に控えたいものや、体にこもった熱を放出して不調を遠ざける知恵を国際中医薬膳師の瀬戸佳子さん教えてもらった。『別冊 天然生活 薬膳でめぐりのよい健やかな暮らし』(扶桑社)から、一部抜粋・再編集して紹介する。
控えたい5つの食生活
「湿邪」に弱い胃腸の負担を減らすとともに、夏を乗り切れる体づくりをしていく。梅雨をいかに元気に乗り切るかが、夏を快適に過ごすための鍵となります。
「脾」と呼ばれる消化器関係は、邪気のなかでもとくに「湿邪」が苦手。湿度が高い梅雨は汗をかきにくく、ただでさえ湿気が体にたまりがちです。
胃腸に湿気をためやすい、以下の5つのものをなるべく控える食生活を目指しましょう。
・味の濃いもの
味の濃いものは、痰湿(体内にたまった余計な湿気で病気のもと)の原因になると考える。
薬味などを上手に使い、薄味を心がけて。
・油っぽいもの
揚げものや炒めもの、バターや生クリームなどの乳製品。ちなみにバターは「体を潤す」食材。湿邪が多い時季はとくに負担になる。
・生もの
生野菜のサラダ、刺し身、冷奴などの生ものは、胃腸を冷やし、負担がかかりやすい。火を入れることで消化されやすくなる。
・冷たいもの
キンキンに冷えた飲みものやデザート、冷蔵庫から出してすぐの食材など。常温より温度が低いものは、胃腸の負担を増やす。
・甘いもの
砂糖を使ったお菓子類だけでなく、果糖が含まれる果物類も実は「湿」をためやすい。湿度の高い梅雨時は、食べすぎに注意を。
梅雨の養生法
【汗をかける体をつくる】
汗をかくことには、余分な水分を外に出し、体温調節を行うという大事な役割があります。汗をかけるようになれば、暑さに耐性ができていきます。