薄着になることが多いこの時期、気になってしまうのが体形だろう。ただ、ダイエットをしようと思って調べてみても情報が多すぎてなにからやっていいのかわからなくなる。

産業医や内科医として30万人の話を聞いてきた奥田昌子さんは、情報におぼれることなく“引き算思考”で、本当にやめるべきNG習慣を見極めることが大切だという。

著書『これをやめれば瘦せられる』(東洋経済新報社)から、「むくみやすいので水分を控えている」がなぜNGなのか、一部抜粋・再編集して紹介する。

肥満の人やシニアは水分量が少なめ

むくむと顔が大きくなるし、体重が増えるよね。脂肪じゃなくて水が溜まってるだけっていうのはわかるけど、体重は体重でしょ。だから水はあまり飲まないようにしてるのに、すぐ、むくんじゃうのよね。

水は人が生きていくのに欠かせない物質なので、健康な人には体内の水分量を一定の範囲で維持するしくみがあります。

肥満した人は水分が少ない傾向にある(画像:イメージ)
肥満した人は水分が少ない傾向にある(画像:イメージ)
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成人男性は体重の60パーセント、成人女性は55パーセントが水分です。肥満した人は、痩せた人と比べて水分が少なく、また、シニア世代も水分量は50パーセント前後とされています。

体がむくんで、すねや足の甲を指で押したときに、くぼんだあとがなかなか戻らないくらいになると、すでに体重の5~10パーセント以上の水が、よぶんに溜まっているといわれています。体重60キログラムの人であれば、水が溜まって63~66キログラム以上になるわけです。

これは、ゆゆしき事態ですが、残念ながら、「むくみたくないから水を飲まない」のは逆効果です。水分の摂取を控えることで、むしろ、むくみが悪化するおそれがあります。