福島県福島市中心部にある飲食店が入るビルなどで、一斉に行われた福島県警察本部の家宅捜索。投入された捜査員の数は約160人に上った。なりすまし詐欺事件への関与が疑われる3人を逮捕し、犯罪グループの壊滅へ動き出している。
複数の場所で同時に行われた家宅捜索
6月13日午後6時すぎ、警察が家宅捜索をしたのは福島市にある飲食店が入るビル。国道13号線に面したまさに福島市の中心部で、その光景に異様な雰囲気に包まれた。
約9時間に渡り行われた家宅捜索、警察の目的は「特殊詐欺事件」の捜査だ。同時間帯に、複数の場所で一斉に行われた。

警察が捜査を進めてきたのが、埼玉県の女性が被害に遭った特殊詐欺事件。
市役所の職員や銀行員を名乗る人物にキャッシュカードをだまし取られた上、ATMから現金100万円を引き出された。

警察は、この事件に関与した疑いで建設業の羽根田治容疑者(45)と郡山市に住む15歳の少年、そして飲食店を経営する松浦毅司容疑者(41)の合わせて3人を逮捕した。
警察は「捜査に支障がある」として3人の認否を明らかにしていない。
少年も犯罪に加担
SNSなどでつながり組織的に犯罪を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆる『トクリュウ』のメンバーと見られている3人。

捜査関係者によると、松浦容疑者が犯行の指示役とみられ、15歳の少年がキャッシュカードの受け取りや現金の引き出しを担っていたと見られている。
また、松浦容疑者と羽根田容疑者の2人は、他の少年も別の犯罪に加担させていた疑いがあるとみられているという。
SNSを使いやりとり
松浦容疑者と羽根田容疑者は、15歳少年の上の立場で、松浦容疑者は犯行の指示などをしていたと見られている。
また、3人のやり取りにはSNSなどが使われていた可能性があり、警察は押収したスマートフォンのデータを分析するなどして捜査を進めていくとみられる。

このSNSを使ってつながり、犯罪を繰り返すというのが、いわゆるトクリュウの特徴で、捜査関係者への取材では松浦容疑者と羽根田容疑者の2人が、他の少年も別の犯罪に加担させていた疑いもあるとみられているという。

まずは今回の詐欺事件について他に共犯がいないか、さらに余罪はないかを徹底的に調べ、トクリュウの全容解明に向けて捜査を尽くすことになる。
(福島テレビ)