4月8日に行われた、福島県郡山市の市街地でのクマの緊急銃猟。駆除されたのは、立ち会ったハンターも驚く大きな熊だった。都市部周辺で越冬したアーバンベアの可能性もあるという。クマの生態に詳しい専門家は、人間の外での活動が増えクマに出くわしやすい時期で、さらに繁殖期を迎えクマが攻撃的になる5月下旬まで特に注意が必要だと指摘する。
郡山では初の緊急銃猟
「あそこから斜めに降りてきて、そこで頭が見えたので撃った」
緊迫した状況を語るのは、猟友会の小野信太郎さん。郡山市では4月6日から市街地にクマが現れ、8日も朝からJR郡山富田駅近くに出没したかと思えば、そのままどんどん北上を続け、5キロほど離れた郡山ジャンクション付近で停滞。
約6時間のにらみ合いの末、付近の住民に屋内退避が呼びかけられ、周辺の高速道路を一時通行止めとしたうえで緊急銃猟が行われた。
小野さんは「必ず急所に当てないとダメ。小さい個体だと2発目3発目撃つ可能性もある。大きな個体が向かってくるとなかなか、二の矢三の矢が打てない時もあります」と話す。
異例 大きな個体が市街地へ
郡山市によると、駆除された個体は全長180センチメートル、重さ120キロのオスグマ。ハンター歴30年を超える小野さんも、見たことのないような大きさだという。
「実際に撃ちとめて確認をしたら、こんなに大きいのかというのが正直な感想でした。こういう大きいものが、やはり市街地に入ってくること自体が異例だなと思っております」と語った。
7日は「茂みが深く、クマの姿をはっきり確認できなかった」として見送られた緊急銃猟。郡山市は今回の一連の対応について、関係機関と意見交換や検証を行っていきたいとしている。
集落依存型のクマ?
郡山市のような市街地にも出没するクマ。日本ツキノワグマ研究所の米田一彦さんは「わざわざ山の奥から出てくるような時期ではない。これは集落依存型が成長したクマだと思います」と指摘し、今回駆除されたクマは都市部で越冬して成長した「アーバンベア」の可能性が高いという。
これからが要注意
2026年に入ってからの福島県内でのクマの目撃件数は、2025年を大きく上回っているが、気を付けなければいけないのはむしろこれからだという。
クマが冬眠から目覚めるのは5月下旬頃にかけて。私たちが登山や山菜採りなどでクマと出くわしやすい条件がそろうだけではなく、「アーバンベア」も5月以降に交尾期を迎えて攻撃的になるため、より一層の注意が必要だ。
米田さんは「アーバンベアは豊作凶作関係ない。これから一年中、出続けるっていうことで相当福島県は都市部がアーバンベア化しているように感じる」と話す。米田さんは、外出の際には周囲に警戒するとともに鈴など音の出るものを携帯してほしいと呼びかけている。
(福島テレビ)