天皇皇后両陛下と長女の愛子さまが、4月6日と7日に福島県を訪問された。天皇ご一家揃っての訪問は初めてで、愛子さまは原発事故の被災地で熱心に質問を重ねられた。今回の訪問には、天皇陛下が託された「記憶と教訓の継承」への強い思いがあった。
過密日程で浜通り6町へ
天皇ご一家が揃って福島を訪問されるのは今回が初めてである。
1日目に双葉町、楢葉町・広野町、2日目は富岡町、大熊町、浪江町と、2日間で原発事故による大きな被害が出た浜通りの6つの町に足を運ばれた。

1日目、2日目ともにご訪問が終了したのは夜で、行程を組んだ福島県も「過密なスケジュールだった」と明かしている。
側近によると、愛子さまを伴っての訪問は両陛下の希望によるものだったという。より多くの被災地を訪れ、「災害と復興の記憶」を継承することを重視されていたとみられる。
愛子さま 初めて福島の被災地へ
4月6日、多くの人が出迎えるなか、福島駅に到着された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま。
愛子さまの福島の被災地訪問は初めてで、にこやかに手を振りながら沿道の歓声に応えられた。

午後からは双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を訪問。海に向かい犠牲者に花を手向けたのち、愛子さまは浸水の高さを示す館内の表示や、震災前の町の様子について熱心に質問されていた。
陛下が託された「記憶と教訓の継承」
天皇陛下は「愛子にも、これからも被災地の人々に心を寄せていってもらいたいと思っています」とのメッセージを発された。
初日の訪問を終えた天皇陛下は愛子さまについて触れ「今回の訪問は被災された方々や、復興を担う方々からお話を直接伺う貴重な機会になることと思います」と述べられた。
陛下がにじませた「記憶と教訓の継承」への強い思い。愛子さまが2日間の訪問で特に熱心に質問を重ねられたのが、震災当時の状況についてだった。

富岡町の「とみおかアーカイブ・ミュージアム」では、津波に被災したパトカーの前で長く足を止められたほか、町内の災害対策本部の様子について内堀知事に尋ねる場面もあった。

また、大熊町では、当時福島第一原発で警備員をしていた土屋繁男さんとのご懇談の機会が持たれた。愛子さまは「緊急対策室は1号機からどのくらいの距離が」と質問。土屋さんは「500メートルくらいだと思います。ですから爆発の時は地すべりが起きたような」と答えた。
知事が明かした「特別な思い」
2日間の訪問に同行した内堀知事は、愛子さまが今回のご訪問に強い思いを持って臨まれていたことを伺わせるエピソードを明かした。

内堀知事は「常にその町にどういったイベント、お祭りがあったのか。あるいはどういう特産物があるのかということを、きちっと調べていただいていて、そういったものを一つの材料にしながら、自分自身の質問であったり、意見を組み立てておられる姿に非常に驚きました」と語った。
県民に近い距離で
福島県によると、今回ご一家を出迎えた一般の方の人数は約1万4000人。初日に福島駅を出発されてから、沿道に人が集まっているところでは窓を開け、車のスピードをゆるめてお手を振る場面が本当に多くあった。分単位のスケジュールのなかでも県民に十分にお気持ちが伝わったではないかと思う。

震災と原発事故で被災した福島に、常に思いを寄せてこられた天皇皇后両陛下。その姿勢は、今回の訪問を通して愛子さまにも着実に受け継がれていく。
(福島テレビ)