16日は西日本を中心に危険な暑さとなっている。各地で35度以上の猛暑日となっているほか、香川県、和歌山県、鹿児島・奄美地方、沖縄県・八重山地方では熱中症警戒アラートが発表された。

■西日本を襲う危険な暑さ、各地で35度超の猛暑日に
熱中症警戒アラートとは?
浅田麻実気象予報士:いわば暑さの警報と捉えていただきたいです。危険な暑さが予想されるときに、熱中症への危機感を高め、警戒を呼びかけるものです。この情報が出る時は、気温と湿気の量、日差しの照り返しなど色んな要素を加味して計算して発表されています。もしかしたら、肌感覚で『そこまで暑くないな』と感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、これが出ているときはなるべく屋外での活動は控えていただいて、室内の涼しい所でエアコンをかけて快適に過ごしましょうという情報になります。
浅田麻実気象予報士:データをふり返ってみると、香川県で去年、熱中症警戒アラートが初めて出たのが、7月19日でした。1カ月ぐらい前倒しで、危険な暑さがもう6月だけれど、やってきているということになります。

■梅雨前線が北上 真夏の太平洋高気圧が“早押し”
(Q.このまま夏が来る?)
浅田麻実気象予報士:もしかしたら、このまま夏になるかもしれません。
本来であれば梅雨前線は日本列島に沿うように停滞しているのが梅雨だ。それが北の方上の方に上がってしまっているという。
浅田麻実気象予報士:いきなり北に上がっているということで、実はこの間の土曜日には東北地方でも梅雨入りとなったんですけれども、本来だったらこの辺りに停滞するような前線が、一気に北に上がっている。
なぜかというと、、南の方から前線を押し上げているもの、それが真夏の太平洋高気圧なんですね。そもそも梅雨前線は北の方にある春の空気と真夏の空気がぶつかり合って、その空気同士が喧嘩して、せめぎ合っている所に発生するものなんです。けれども最近、皆さん『夏が来るのが早いな』ってお感じだと思うんですが、いきなりこの夏の空気が、よいしょと勢いよくやってきてしまったので、春もすぐにどこかへ行ってしまって、季節の境目である梅雨前線が一気に北へ上がっているという状況になります。

■地球温暖化の影響?強まる夏と崩れる季節の境目
(Q.梅雨前線が変わった?)
浅田麻実気象予報士:梅雨前線が変わったと言うよりも、地球温暖化の影響もあって、真夏の高気圧が、夏が強まっているっていうのが原因にあるかなと思います。本当だったら、春と夏がせめぎ合う様子が長いこと続いて、ずっと梅雨の長雨が日本付近に続いてるはずだったんですけれども、いきなり夏が勢いよくやってきてしまうものなので、雨が降ったとしても先週数日降って、かと思えばきょうみたいに晴れていてというふうに、ちょっと季節の線引きがしづらくなってきています。
(Q.そのまま梅雨明け?)
浅田麻実気象予報士:とはならないだろうなと思っていまして、とういうのも平年だったら梅雨明けは西日本、東日本は7月19日頃なので、まだ1カ月ぐらい早いので、恐らくまた前線も戻ってきて、また雨が降る日もあるんじゃないかという、これまでの経験からまだ梅雨明けにはなっていないということになります。

■温暖化のジレンマ「冷房を使うべき?」 浅田さんが提案する賢い暑さ対策
16日の全国最高気温ランキング
1位 徳島・穴吹36.2度
1位 徳島・徳島36.2度
3位 三重・熊野新鹿 36.1度
4位 宮崎・延岡 36.0度
5位 宮崎・日向 35.4度
モーリーロバートソンさん:温暖化という話が出たんですけど、たしか北極圏のグリーンランドも、例年よりもだいぶ加速して氷溶けちゃったんですよ。だから本当に全部、温かくなっちゃうんですよ。CO2じゃないですか。そうすると『私は冷房入れていいのか』。だって火力発電でCO2出すでしょ。でも電気使わないと熱中症になるし。そのせめぎ合いですよね。
青木源太キャスター:でも今は、熱中症になる恐れがあるから、ためらいなく冷房を使わないといけない時代ですよ。
モーリーロバートソンさん:だから臨時では使いたいんだけど、考えちゃうのは中長期の貯金ですよ。どうすればいいですか。
浅田麻実気象予報士:例えば1つの案としてなんですけれども、地球温暖化には家族団らんが大事なんじゃないかと思っていて、例えばみんなでリビングに集まっていたら、エアコンをかけるのも1つの部屋で済みますよね。
でも例えばみんなが自分の部屋に入って行ってしまったら、かけるエアコンの台数もたくさん多くなってしまいますので、ほんと小さなことでもあるんですけれども、なるべく使う頻度は減らすということで、みんなで1つの部屋で仲良く過ごしましょうっていうのも大事なんじゃないでしょうか。
青木源太キャスター:あと扇風機とかサーキュレーターを併用したりとか、エアコンのほこり取ったりとか、そういうことも大事かもしれないですよね。

■「6月なのに8月の暑さ」 明日以降も猛暑継続 名古屋で36度予想
(Q.明日からもっと暑くなる?)
浅田麻実気象予報士:あすからと言いますか、向こうしばらく暑くなるんですけれども、あす、あさっての予想を見ていただくと、もう35度以上の猛暑日の所が多くなりそうでして、名古屋ではあす火曜日36度、あさって水曜日36度の予想です。
青木源太キャスター:まだ6月ですかね、6月16日にきょう放送していて、週の半ば8月の暑さです。
浅田麻実気象予報士:『これまで大丈夫だったから』っていう考えは、1回横に置いておいて、『ことしはいきなり真夏がやってきているんだ。それも危ない暑さなんだ』ということを、心に留めておいていただければと思います。

■「もう梅雨明けしていた?」 事後確定される気象記録
(Q.この暑さいつまで続く?)
浅田麻実気象予報士:終わりがまだ見ていないという状況でして…。梅雨に入ったというのに、しばらく長めの梅雨の中休みとなりそうで、気温の高い状況が続きそうなんです。もしかしたらもう真夏じゃないかと思って対策をしてほしいと思います。大阪を例に見ても、この先例えば今週の木曜日には、大阪でも36度、猛暑日となる可能性が出てきています。その先しばらく33、34度という日が続きそうです。
名古屋の予想を見ていただいても、あすから火、水、木と36度が続く予想になっています。これだけ連日の暑さとなると、体に疲れがどんどん溜まっていってしまうかと思うんですね。結構最近、夜も寝苦しい日が続いてきていますけれども、夜はなるべくしっかりと休んで体に疲れを溜めないように心がけてほしいと思います。
青木源太キャスター:梅雨入り、梅雨明けも、後からタイミング変わる時ってあるじゃないですか。だから後になって、『あ、もうここで梅雨明けたんだな』ってなる可能性もあるってことですか?
浅田麻実気象予報士:そうですね。毎年9月になって気象庁がお天気の振り返りをするんですけれども、後から梅雨入り、梅雨明けの日程の確定値が出るんですね。となったら、もしかしたらもう梅雨が明けていたっていう可能性としてもあります。
(Q.9月になって言うのは意味ある?)
浅田麻実気象予報士:後々の記録を残すという意味では、とても大切なものになります。

■雨後はさらに危険! 湿度上昇で熱中症リスク高まる、今後1週間も猛暑継続
浅田麻実気象予報士:16日、このあと雨というところがありそうでして、既に九州の方では夏の降り方をイメージしてほしいんですけれども、ざっと雨脚が強まっているところがありますので、あしたの早朝にかけて、特に西日本の方では急な雨にもお気をつけいただきたいと思います。
あすの予報で見ていただくと、九州から中国・四国地方にかけて、四国の方でついている雨のマークは、あしたの朝3時とか、6時とかの早朝のものが中心となりそうで、昼間は各地で晴れてあしたも暑いです。宮崎や高松で35度猛暑日となりそうです。そして近畿から東海、北陸、東北地方にかけても、近畿地方でついている雨は、あしたの早朝までのもので、日中はあしたも容赦なく強い日差しが照りつけます。早朝まで雨ということは、湿気が増えてくることが心配ですので、あしたもさらに一層の熱中症への警戒をお願いします。
そしてこの先1週間を見ていただいても、しばらくは広い範囲で、晴れたりくもったりのお天気で、最高気温が35度以上の猛暑日という日もありそうです。
青木源太キャスター:真夏並みの暑さとなりますので、皆さん体調管理にくれぐれもお気をつけください。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年6月16日放送)
