「いやだ、キャーッ(ドン)」(ドライブレコーダーの音声)
車内に響く叫び声。
これはタクシーのドライブレコーダーで撮影された映像だ。

6月11日午後11時50分ごろ、千歳市本町5丁目付近の住宅街で走行中のタクシーが道路わきから出てきたクマと衝突した。

この事故でタクシーのバンパーは大きく破損。
運転席側の窓は穴があき、ガラスが粉々に。
サイドミラーもはずれケーブルはむき出しになった。

ツメのあともくっきり残り、衝撃の大きさを物語っている。
運転手にけがはなかった。

クマの体長は約1.3メートル。クマはその場から走り去ったということだ。
クマの情報はほかにも―

「クマの足跡が見つかった現場です。住宅街の畑を横切っていきました」(吉村直人記者)

午前4時30分ごろ、千歳市真々地2丁目付近で「近くの家の敷地にクマの足跡がある」と住民から110番通報があった。現場の畑には、幅19センチほどのクマの足跡が一直線に続いていた。
「午前4時30分に見つけた。こんなに(土が)下がるんだからすごいと思った」(クマの足跡を見つけた人)

また、付近の住宅裏の敷地内にもクマの足跡とみられるものが残されていた。

6月11日夜から12日にかけて目撃された現場付近は学校や住宅、コンビニなどがある住宅街で、人間の生活圏だ。
「直接会ったら腰抜かして声も出せずクマにたたかれる」(クマの足跡を見つけた人)
「最初1メートルくらいという情報だったが、本当にデカイ。いよいよ町中に出てきたんだな」(付近の住民)

この時期は、クマの活動が活発になる。
千歳市の隣町、苫小牧市の山林では2024年5月、木に背中をこすりつけマーキングをする、「背こすり」を行うクマの映像がとらえられている。
人との距離が縮まっていることを意味する人里でのクマの目撃。
警察などは付近をパトロールするなど警戒を強めている。
