2025年も全国各地でクマの目撃情報相次ぐ中、静岡県富士宮市では小学校の近くで目撃され警戒を強めている。繁殖期を迎えるこれからの季節は特に注意が必要だ。

2025年も相次ぐクマの目撃

福島市の河川敷を猛スピードで走るクマ。

岩手県紫波町では住宅の敷地内を悠々と歩く姿も。

保育園に侵入したクマ(提供: 小佐野保育園)
保育園に侵入したクマ(提供: 小佐野保育園)
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さらに、岩手県釜石市では白昼の保育園で敷地内にクマが侵入。

女性職員は「お昼寝の時間だったのでびっくりして、子供たちの安全を確保するために施錠した」と当時の恐怖を振り返る。

いま、全国各地でクマの目撃情報が相次いでいて、静岡県内も例外ではない。

富士宮市では5月15日、出勤途中の市民が川で水を飲むクマの姿を目撃。

クマが目撃された川(静岡県富士宮市)
クマが目撃された川(静岡県富士宮市)

県のまとめでは、2025年度に入ってからの2カ月で富士宮市を含め3つの市と町で計8件の目撃情報があるという。

小学校は警戒強め対応マニュアルも

富士宮市の内房地区では5月20日にも小学校の近くでクマが目撃されていることから、学校では児童や保護者に対して車での登校を要請。

クマを警戒し車で通学する児童(内房小学校)
クマを警戒し車で通学する児童(内房小学校)

市立内房小学校の村松由里香 校長は「クマは朝や夕方に活動すると聞いている。昨日(5月20日)は夕方の目撃情報だったので今朝は厳重に対応した」と述べた。

この地区では毎年のようにクマが出没。

このため、学校としても2025年に初めて対応マニュアルを作成し、教職員の間で共有したそうだ。

村松校長は「子供たちには1人で出歩かないことやクマ鈴など音が鳴るものを身に着けるよう伝えている。(出会ってしまったら)クマを威嚇しないようその場を立ち去り、どこの家でも良いから駆け込む」ことを指導していると話す。

早い時期の錯誤捕獲に不安

一方、クマの目撃とあわせて近年増えているのがいわゆる”錯誤捕獲”だ。 

5月12日、富士宮市北部に位置する上井出地区ではニホンジカの駆除を目的に仕掛けた“くくりワナ”にクマがかかっていた。 

捕獲されたクマ(提供:藤波庸一 さん)
捕獲されたクマ(提供:藤波庸一 さん)

西富士山麓猟友会の藤浪庸一 会長は「今まで5月に錯誤捕獲でかかったということはまずなかった。去年(2024年)は6月7月がピークだったが、今年はどうなるか心配」と心配そうな表情を浮かべる。

6月はクマ目撃件数最多に

県によると2024年度に寄せられた県内の目撃件数は過去最高の156件。

中でも最も多かったのが6月だった。 

目撃されたクマ(資料:岩手県北上市 5月)
目撃されたクマ(資料:岩手県北上市 5月)

静岡県自然保護課 自然保護・管理班の小澤真典 班長は「クマは冬眠から目覚めた春先と冬眠前の秋にエサを求めて活発に活動する。また、6月から7月はクマの繁殖期にあたるため昨年度は特にこの時期に動き回ったクマが多く目撃されたのだと思う」と解説する。

では、これからの季節、どのようなことに気をつければ良いのだろうか?

小澤班長によれば、鈴などをつけて自分の存在を積極的にアピールすること、そしてクマは逃げるものを追う習性があるため、クマに背を向けず後ずさりしながら遠ざかるようにすることの2つが重要だという。

山菜採りにハイキング、さらには登山など。

これからの時期、山などへ出かける際はクマの目撃情報が増えていることを頭に入れ注意深く行動することが必要だ。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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