東京・小金井市で『街区表示板』と呼ばれる住所表示にシールを貼られる被害が相次いでいる。救急車両の到着にも影響が出ると考えられ、近隣住民からも困惑の声が上がっている。こうした行為について専門家は「器物損壊罪に該当する可能性が十分ある」と指摘する。

住所表示の一部がシールで隠される被害が相次ぐ

10日に「イット!」が取材したのは、東京・小金井市の住宅街。

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電柱などに取り付けられた『街区表示板』と呼ばれる住所表示。

その一部がシールで隠される被害が相次いでいる。

この目的不明の行為が拡大しているのは、JR東小金井駅の西にある、東京農工大学近くの路上。市の担当者によると、市民から通報を受けたのは半年ほど前だという。

警視庁もこの事態を把握し、6月、市の職員などと手分けをして約50カ所のシールをはがしたという。

しかし、10日に取材した中町の一角だけでも、合わせて6カ所でまだシールが貼られた住所表示を確認することができた。

近隣住民からは、「(被害に)気付いてなかったです。ただのいたずらなのか、何か表示をしたくないということなのか分からない」「目的が分からないですよね。その辺が怖いかなという気がする」「不気味な感じと言われれば不気味な感じ。なんか憂さ晴らし、そんな感じの一端ではないか」といった声が聞かれた。

街区表示板は見やすい場所に設置することが自治体に義務付けられていて、目的は、郵便物や宅配便などの誤配や遅延を防ぐといった生活面だけにとどまらない。

近隣住民:
病気の人や倒れた人がいて、通報する時に(住所が)分かんなくなってしまうのは困る。

緊急時に救急車などを呼ぶ際に役立つ他、緊急車両が迅速に目的地へと到着できるなど、重要な役割も担っている。

同様被害はバス停などにも…専門家は“法に触れる可能性”指摘

同じような被害は、別の場所にも及んでいて、バスの路線図や時刻表がシールで隠されていた。

バスの利用者は「初めて利用される方とか普通に迷惑ですよね、困るし」「そういうのやられた方は本当に反省してください」と困惑する。

こうした迷惑行為について、専門家は“法に触れる可能性”を指摘する。

橋下綜合法律事務所・溝上宏司弁護士:
表示の一部を隠して見えなくしている、効能を喪失させていると言えるので、器物損壊罪に該当する可能性が十分にある。

また、バス停の被害については、業務妨害に当たる可能性があるという。
住所表示などをシールで隠す迷惑行為に警視庁は、まねをしないよう呼びかけている。
(「イット!」 6月10日放送)

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