川辺などに咲く、鮮やかな黄色い花「オオキンケイギク」。
とても美しい花なのですが、実は生態系にとって、“黄色い侵略者”とも呼ばれる「厄介者」なのだ。

■黄色い花の正体は“侵略者” 神戸の子どもたちが駆除活動
8日、神戸市で開かれたある取り組み。集まった子供たちが向かった先には…。
参加した子ども:めちゃくちゃあるやん!
参加した子ども:かあちゃんあった!あった!
川辺に咲く鮮やかな黄色い花、しかし…次々と抜き取られていく。
この花の名前は「オオキンケイギク」。コスモスのように切れ目が入った花びらで美しい見た目だが、実は、カミツキガメやアライグマ、ブルーギルなどと同じ、国が指定する「特定外来生物」なのだ。
“黄色い侵略者”とも呼ばれ、生き物が暮らす環境=「生態系」を乱す恐れがあるという。

■街のあちこちに“要注意”の黄色い花
一体、どんな場所に咲いているのか?記者が探してみると…。
記者リポート:黄色い花、ありますね!車通りが多い、道路沿いにたくさん咲いてます!道端のコンクリートからもはえてます。
さらに、視聴者から情報を集めたところ、あちらこちらで目撃情報があった!
30代男性:京都府南丹市美山町にて。
40代女性:淀川河川公園で撮りました!

■1平米に5000個の種 驚異の繁殖力で街を侵食 栽培すると罰則も
なぜ、至る所に広がっているのだろうか。
宝塚市で駆除活動を20年近く続ける専門家は、驚くべき“繁殖力の強さ”を指摘する。
宝塚市自然保護協会 足立勲さん:これ(オオキンケイギク)が生えると、周りの昔からあった在来の植物が駆逐される。コイツが生えとった所に、他の植物生えてないでしょ。
1つの花に100以上もの種が入っていて、繁殖の時期には1平方メートルあたり、3000~5000ほどの種を落とすという。

以前、この場所には少しだけしか「オオキンケイギク」が咲いていなかったのだが…およそ10年で一面を覆うほどになってしまった。
駆除しないと、植物以外にもその影響は広がるという。
宝塚市自然保護協会 足立勲さん:この(他の植物の)葉っぱ、私でも食べられる。ほかの植物を食べる昆虫が来ない。昆虫を食べる小鳥も来ない。生物の多様性が損なわれる。
国は見つけたら駆除を呼びかけていて、知らずに家で育てると「3年以下の拘禁刑や300万円以下の罰金」が課される可能性もあるのだ。

■厄介者で染め物体験
神戸市では、駆除した後に捨てるだけでなく楽しんでもらおうと、こんな取り組みも。
集めたオオキンケイギクの花びらを煮出し、白い服やタオルを染めているのだ。
染め物のできあがりは?
参加した子ども:1万て~ん!
きれいに染め上がっている!
参加した子ども:水がはねてるみたいな感じで、かっこいいかなと思って作りました。外来生物も知れたし、外来生物を使って、生かすことができるのがすごいなと。
身近に潜む黄色い侵略者の脅威。正しく知って、付き合うことが大切だ。

鮮やかで美しい花だが、非常に厄介者だ。
黄色い侵略者とも呼ばれているオオキンケイギクは、原産地が北アメリカ、開花のピークは5月から7月だ。
毒などはないが、特定外来生物に指定されているので、持ち運びや栽培は禁止されていて、違反すると3年以下の懲役または300万円以下の罰金になるおそれがある。

■「しっかり知って対策を」
意図せずに育てても、罪に問われる可能性があるということだ。
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:見つけた場合は、自治体に連絡するのがいいんですけど、例えばご自身で駆除しようとすると、やり方間違えると種を飛ばしてしまう可能性があるので、そういう意味でも公園管理事務所とかに連絡されるといいと思います。
不用意に持ち帰られないように気をつけてほしい。

(関西テレビ「newsランナー」2025年6月9日放送)