ラグビーやサッカーなど、スポーツの強豪校として全国に知られる福岡市の東福岡高校は、2025年度から男女共学となり、この春、初めて417人の女子生徒を迎え入れた。これまで長く、男子学生のみで実施されてきた学校行事も様変わりしている。共学になって2カ月余り。女子生徒のいる新たな東福岡高校の学園祭に密着した。
どう変わる?共学1年目「東福岡」
2025年1月に開かれた“春高バレー”では、全国準優勝。全国高校サッカー選手権大会では、3度の優勝を誇るサッカー部など、スポーツの強豪校として知られる東福岡高校。1955年の創立以来、ずっと「男子校」だったが、遂に、2025年度から男女共学となり、県内外の注目を集めている。

4月の入学式では、新1年生981人のうち、女子が417人と4割以上を占め、制服も紺の詰め襟からモスグリーンのブレザーにイメージを一新。

「この1年間、男子としか話していないので、女子にどう接すればいいのか…距離感が分かりません」と話す新2年生や「今、とても緊張しています!」と戸惑いを率直に口にする新3年生など、新たな学校生活の始まりを予感させた。

共学初の学園祭「ドキドキします」
入学式から2カ月余り。男女共学になって初めての学園祭が6月7日、開催された。

この時期恒例の学校行事だが、例年とは違う緊張感を感じている生徒も…。「ドキドキします」「ちょっと戸惑いつつも凄く面白そうな雰囲気」などと、生徒たちのワクワク感が伝わってくる。

これまでとは違う学園祭。その象徴のような存在が、4月に発足したばかりのダンス部だ。

ダンス部は、男女共学化に合わせて作られた新しい部活で、男子と女子合わせて100人もの生徒が入部している。

ダンス部のステージをひと目みようと、会場には、長い列ができていた。そして、いざ、ダンス部のパフォーマンスが始まると、部員達のキレのある動きに会場からは、生徒たちの大きな拍手や声援で埋め尽くされた。

「びっくりしました!ダンス、初めて見たんですよ。めっちゃ楽しかったです」「東福岡は、“ザ・スポーツ校”みたいなイメージがあったので、めっちゃ熱血かなと思ったら、爽やかなダンスも見られて、嬉しかったです!」と興奮冷めやらぬ様子の生徒たち。

女子の力?男臭さ消え"華やか"に
男女が力を合わせて作り上げた学園祭に保護者からは、「去年よりも全然華やか。カフェも去年は凄く男臭かったが、今年は、レイアウトが凄く可愛い」。

「本当にここが東福岡なのかと思ったが、これから共学の文化が花開いていくのでは」と好意的な感想が多く寄せられた。

共学化から約2ヵ月。生徒と先生の関係も徐々に緊張がとれてきたようだと、1年生を担当する井田瑞季先生は話す。「女子生徒の関わり方は、先生たちも最初は考えながらだったが、最近は、お互いに打ち解けてきている。これまでの東福岡の良さを継承しつつ、指導できているかなと思っている」。

男子校時代の伝統を受け継ぎつつ、時代のニーズに合わせた新たな教育環境の整備。これからどう変わっていくのか。東福岡高校の新たな歩みに期待が寄せられている。
(テレビ西日本)