兵庫県の斎藤知事を告発した元県民局長の私的な情報が、当時の総務部長によって漏えいしたと県の第三者委員会から認定され、「知事の指示があった可能性が高い」と指摘されたことについて、橋下徹さんは「告発の『無効化』を狙いに行った」「斎藤さんの問題は『権力の使い方が怖すぎる』」と指摘した。
そして「斎藤知事は辞めるべき」と厳しく指摘した。

■橋下さん「斎藤さんの問題は『権力の使い方が怖すぎる』」
橋下徹さん:地上波の方で、斎藤さんの問題を『パワハラ』『おねだり』に焦点を絞ったのは間違いだと思っています。ここじゃなかった。
斎藤さんの問題は『権力の使い方が怖すぎる』んですよ。これ、内部告発者を探しに行って、これは第三者委員会が認定していることですよ。しかも、この内部告発者の私的な情報を、側近の幹部が漏らすことによって、この内部告発者は『何か悪い人間だ』ということを言いふらして、この告発の『無効化』を狙いに行ったわけですよね。
橋下徹さん:自分の疑惑への告発を、『いやこんな悪いやつが言っているんだから信用しないでね』と。これね、非民主国家の権力者がやることですよ。
この点については、いろいろ意見があります。法律違反かどうかっていうのは、弁護士と議論しても、僕は違法だと思うけども、『いや適法だ』っていう考えもいろいろある。だからこれは見解が違うから第三者に判断任せようというのが内部告発制度なんで。
橋下徹さん:今回、第三者が『違法だ』と言って、『漏えいの指示もしたんだろう。可能性が高いんだろう』ってことを第三者が言って、この第三者、しかも斎藤さんが自らお願いした第三者がこういう判断を下したのに、これ従わないって言ったら、もう内部告発とか監査なんか兵庫県では成り立たないし、斎藤さんは第三者委員会の言うこと聞かないんだったら、初めから第三者委員会の設置なんかしなきゃよかった。『何で第三者委員会を設置したんですか?』と。

橋下徹さん:本当に斎藤さんの権力の使い方が怖すぎて、しかも私的な情報がネットで出回っていることの削除要請もすぐにはやらなかった。
それから内部告発をした人は、すぐに、数日で探し当てることができたのに、情報漏えい者は自分の側近中の側近なのに、これをきちんと突きとめることが、数カ月もやってこなかったわけです、斎藤さん。
橋下徹さん:いやねぇ、自分に都合のいい権力を使うっていうことの恐ろしさを兵庫県民の皆さんにはわかってもらいたい。
これ住民に今は影響ないかもわからないけども、絶対これ影響してくるし、あとは斎藤さんのこの内部での権力の使い方と、それから対外的な住民の皆さんに対してのこの対応が余りにもギャップがありすぎて、僕は怖いんですけどもね。

■「漏えい認定」当時の元総務部長「刑事告発しない」に橋下氏「権力者としては失格」
第三者委員会で漏えいを認定された当時の総務部長は停職3カ月の懲戒処分を受け、県議会の4会派が「事実を明らかにするべきだ」ということで、刑事告発を申し入れていた。
しかし斎藤知事は「懲戒処分で社会的制裁を受けているので、刑事告発しない」と判断している。
橋下徹さん:これ3カ月の停職でしたっけ。これ決めたのは、最後は斎藤さんですから。懲戒処分の最終決定権は斎藤さんなので、斎藤さんが懲戒処分、『3カ月の停職』にするのか、刑事告発にするのか、最後、斎藤さんが決めるんですよ。これ僕、判断おかしいと思います。
橋下徹さん:総務部長が情報漏えいをしたことによって、誰が一番利益を受けるかって言ったら、斎藤さんだったんですよ。告発があやしいということになるからね。自分の利益になるようなことをやった、総務部長を甘い処分にしたってのはおかしいと思いますよ。
橋下徹さん:これ明らかに地方公務員法違反は間違いないので、本来刑事告発すべきですよ。こういう権力の使い方が僕はやっぱり権力者としては失格だっていうことも思うんですよね。
吉原キャスター:(県議会側も)刑事告発はできるないことはないんですよね?
橋下徹さん:やったらいいんですよ。懲戒処分と刑事告発並行してやるなんてのは当たり前だし、もう県議会はもう気合い入れて。兵庫県の権力者たちのなんかおかしさっていうのを感じるんだったら、不信任決議出したらいいのに、なあに腰引けてんですか。
ジャーナリスト 安藤優子さん兵庫県議会に告発をもしした場合に、今まで出てきてなかった総務部長の言い分とか、実は指示をされたとかっていう話も出てくる可能性もあるっていうことですよね?
橋下徹さん:それはもう、きちっと強制捜査権を持った捜査機関がもう1回捜査をしますから。斎藤さんは第三者委員会の言うこと聞かないんだったら、もう捜査機関・刑事裁判で最後、『こうだ』ってことを認定してもらわないといけないと思いますけど。

■安藤優子さん「漏えい指示してないなら刑事告発をするっていう判断を」
ジャーナリスト 安藤優子さん:事実関係をちゃんと明らかにすることが、やっぱり県政を前に進めることだと思うんですよ。基本的にはね。
ジャーナリスト 安藤優子さん:ずっとずっと、こうやってグチャグチャやってても、本当に斎藤さんが思うように県政が前に進まないんだったらば、この際どうですか?自分は漏えいを指示してないっていうんであれば、その刑事告発をするっていう判断をされて、県政を先に進めるためにも、そういうふうな、もやもやを晴らしていくっていうのは、それは知事の責任でもあるんじゃないですか。
橋下徹さん:ただ、自ら事実関係を明らかにするために、自ら第三者委員会を設置したんですよ。事実関係を明らかにしてくれたんですよ。それを受け入れないってどういうことなんですか、これ。
そしたら『はじめから第三者委員会なんか設ける必要ないでしょ』ってなるんで、もう事実関係は明らかになったと思いますよ。(知事の)指示の可能性が高いっていう判断が出たんですから。

■橋下さん「斎藤知事は辞めるべき」
また番組の最後に再びこのニュースの感想について聞かれた橋下さんは、「斎藤知事は辞めるべき」だと言及した。
橋下徹さん:斎藤知事やめるべきだと思いますよ。僕はやっぱり権力の使い方としては失格、『知事失格』だと思います。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月4日)