プロ野球の巨人で選手・監督として活躍し、「ミスター」の愛称で親しまれた長嶋茂雄さんがきょう=6月3日死去しました。関西からも悲しみが広がっている。
元阪神の掛布雅之さんは、長嶋さんが現役を引退した年の甲子園では、阪神ファンから泣きながら声援が挙がっていたことを明かし、その存在の大きさを語った。
また関西での試合の際、巨人が宿舎として利用していたホテルの社長は、阪神・淡路大震災が起きた年に半壊となったものの、長嶋さんからの言葉で、その年の9月に営業を再開。
長嶋さんの「よくやったね」という言葉が「何物にも代えがたい」と思い出を語った。

■長嶋茂雄さん肺炎で死去 大阪でも号外配布「阪神ファンですけど尊敬」
巨人の長嶋茂雄終身名誉監督は、きょう=3日午前6時39分、肺炎のため亡くなった。89歳だった。
訃報に、大阪市内でも号外が配られた。
号外を配る声:長嶋茂雄さんが亡くなられました。号外です。
ファンからはプロ野球界のスターの死を悼む声が聞かれました。
街の人:すごく大切な方が亡くなって、寂しい思いです。
街の人:阪神タイガースファンですけど、長嶋監督はずっと尊敬していましたね。また日本の宝が1人亡くなったという気がした。
街の人:『巨人軍は不滅です』 あの言葉いつまでも残ってる。楽しい夢をもらいました。

■巨人の宿舎「ホテル竹園」社長は幼少期から交流が
兵庫県芦屋市の「ホテル竹園芦屋」は、関西での試合の際に巨人が宿舎として利用している。
長嶋さんに「『ありがとうございました』と感謝の言葉・気持ちを伝えたい」と語る社長の福本吉宗さん。
選手・監督時代から宿泊していた長嶋さんとは、幼少期から交流があったという。

ホテル竹園芦屋 福本吉宗社長:本当にテレビで見たままの長嶋さんですよね。オーラであったり、エネルギーっていうのは、ものすごい感じました。
私が幼少のころ病弱で、すごく気にかけていただいて。いつも会うと『ボク大丈夫か?元気になったか?』と優しい言葉をかけていただきました。

そして長嶋さんからの忘れられない言葉があるという。
ホテル竹園芦屋 福本吉宗社長:阪神淡路大震災のときに、このホテルも半壊になりまして。地震後すぐに、『とにかく巨人軍が竹園に泊まらない年はない。必ず9月の最終戦に泊まるから、それまでに再開しなさい』とお言葉をいただきました。
なんとか9月1日に再開できまして、長嶋さんが監督として入ってこられて『よくやったね』と。何にも代えがたい。本当ににありがたいなと。

■「ミスタータイガース」掛布さんが語る 「憧れの存在」長嶋さん
そして、「ミスタータイガース」こと掛布雅之さん。
野球を始めるきっかけになった、あこがれの存在が長嶋さんだった。
掛布雅之さん:野球をやるきっかけを作ってくれたのが長嶋さんですよね。僕にとっては憧れの存在。すごく大きな太陽のような方。野球界にとって、大きな太陽が沈んでしまったのかなという、なんとも言えない脱力感。

長嶋さんと同じ千葉県出身の掛布さん。結婚式のスピーチをしてもらったという思い出もある。
掛布雅之さん:『掛布という選手は、千葉県、郷土の後輩なんだ』と。『掛布くんのホームランに、誰よりも大きな拍手を送っている、掛布ファンの一人です』と。自然と涙が出てきた。

そして長嶋さん現役最後の年の甲子園球場でのエピソードも披露した。
掛布雅之さん:阪神ファンがスタンディングオベーションで、拍手で、みんな泣いて。『長嶋ありがとー』って。僕あの時ベンチに座っていたけど背中がゾクゾクってするくらい。長嶋さんのやってこられた野球っていうものは、阪神ファンも巨人ファンもなく、プロ野球ファン全体を喜ばせる。
数々の伝説をつくった長嶋茂雄さん。その姿は多くの人の記憶に残り続ける。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月3日放送)
