5年前、持病のてんかんによる発作で当時22歳の女性を死亡させるなど3人を死傷させる事故を起こした、危険運転致死傷の罪に問われた56歳の女の裁判が、和歌山地方裁判所で始まりました。

女は「てんかんの発作が起きたわけではない」などと起訴内容を否認し、無罪を主張しました。

被告の女は「意識を失うおそれがある状態で運転した危険運転致死の疑い」で警察に逮捕されたものの、「てんかんの発作が起きたわけではない」と一貫して容疑を否認し、嫌疑不十分で一度は不起訴になりました。

その後、事故の遺族が検察審査会に申し立て、起訴されていました。

遺族は「娘はなんで死んだのか。事実を重い現実として受け止めて、一生背負っていってもらいたい」と話しています。

■「てんかん」で意識を失うおそれがありながら運転・死亡事故を起こした罪問われる

和歌山市の西馬淳子被告(56)は2021年7月、持病のてんかんによる発作で意識を失うおそれがありながら車を運転し、ミニバイクに乗ってアルバイトに向かう途中だった、竹田汐里さん(当時22歳)を死亡させるなどした、危険運転致死傷の罪に問われています。

きょう(6月1日)の初公判で、西馬被告は「事故を起こしたことは間違いありません。てんかんの発作が起きたわけではないです。自分はてんかんではないと思っていました。運転中も意識障害が起こっているとは思っていませんでした」と述べ、事故を起こしたことについて認めた一方、起訴内容を否認しました。

また弁護側は「心疾患が原因でてんかんではない。てんかんだったとしても認識していなかった被告は予見できなかったため、過失運転致死傷罪も成立しない。よって無罪です」と主張しました。

■検察側・冒頭陳述で「2014年には抗てんかん薬を処方されていた」

一方、検察側は冒頭陳述で次のように述べました。

・2012年、西馬被告は脳腫瘍の摘出手術を受ける。
・2014年1月にはけいれん発作を起こして救急搬送され、病院で抗てんかん薬の処方を受けた。
・このころ以降、通院先の病院で抗てんかん薬の処方を受け続けた。
・2019年にも意識障害を伴うけいれん発作を起こして病院に救急搬送され、脳神経外科医の診察を受ける。この際、自動車の運転をしてはいけないことを医師から伝えられた。
・夫とLINEで、てんかんや服薬に関してメッセージのやりとりをしていた。
・被告は自分の携帯電話に「発作」というメモを作成し保存していた。メモには2019年3月から2021年7月までの15件の発作の日時や内容が記載されていた。
・事故を起こした当日の夜に発作についてのメモを削除していた。

■一度は不起訴も竹田さん遺族が検察審査会に申し立て起訴

西馬被告は事故を起こした際、「てんかんで意識を失うおそれがある状態で運転した」危険運転致死の疑いで警察に逮捕されました。

しかし「てんかんの発作が起きたわけではない」と一貫して容疑を否認。嫌疑不十分で一度は不起訴になりました。

これを受けて、死亡した竹田さんの遺族が検察審査会に申し立て、再捜査を経て、危険運転致死傷の罪で起訴されていました。

■竹田さんの父「娘はなんで死んだのか。一生背負っていってもらいたい」

竹田さんの遺族は裁判を迎えるにあたって、関西テレビの取材に応じ、今の思いを語りました。

【竹田さんの父・正義さん】「娘はなんで死んだのか。事実を重い現実として受け止めて、一生背負っていってもらいたい。事故の直前彼氏もできて本当に未来が明るかった。娘たちの人生を祝福したかった。それが当たり前だと思っていたから」

【竹田さんの母・典子さん】「大切な娘を亡くしたことは一生消えないことだし、被告人にもそれは重く受け止めてほしい」

関西テレビ
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