5月、大分市の市議会議員などが逮捕・送検された入札妨害事件。
入札に関係する市の職員が警察の任意の事情聴取に対し「上司に相談したが以前から慣例化していて議員に伝えるよう言われた」などと説明していることが分かった。
大分市議会議員と業者の癒着は過去あったのか。今回、TOSは現職の大分市議会議員に話を聞いた。

公契約関係競売入札妨害の疑いで大分市議会議員を逮捕
公契約関係競売入札妨害の疑いで40代の現職の大分市議会議員が逮捕された事件。
その後辞職した前市議の男は2024年5月に大分市が行った指名競争入札で市の職員から聞き出した予定価格10数件を、業者側に教え落札させた疑いが持たれている。

任意の事情聴取に対し市の職員は「上司に相談したが…議員に伝えるよう言われた」
この事件では落札業者で市内の造園工事業の社長など2人も逮捕・送検されている。
今回、事件となったのは大分市の都市計画部の公園緑地課が担当する除草業務委託の指名競争入札だ。
捜査関係者によると、警察の任意の事情聴取に対し、入札に関係する市の職員が「予定価格を議員に伝えるのは悪いことではないかと思っていた。上司に相談したが以前から慣例化していて議員に伝えるよう言われた」などと話しているという。
警察は引き続き任意で事情聴取を続けるなど捜査を進める方針だ。

前市議の男は「見返りに選挙での支援を受けようとした」という
また前市議の男は「予定価格を教える見返りに選挙での支援を受けようとした」という趣旨の供述をしていて、業者側は「10年以上前から市議を通じて予定価格を聞いていた」などと話していることが捜査関係者への取材で分かった。
警察は業者と議員側が長年にわたって癒着していた可能性があるとみて調べている。

現職市議「昔からそういうことはあった」
大分市議会議員と業者の癒着は過去あったのか。
現職の市議会議員がTOSの取材に応じ「昔からそういうことはあって選挙で支援してもらう関係で企業から頼まれてきた」と証言した。
TOSの取材に答えたのは現職の大分市議会議員である。
議員から業者に入札の予定価格を伝えることは以前から行われていたのか。
この議員は「昔から、少なくとも10年以上前からそういったことはあった。選挙で支援してもらう関係で企業から頼まれてきた」と証言した。また「全員ではないがやっている議員がいる」と話している。

予定価格を聞かれた経験 議長「正直あります」
また30日大分市議会の田島議長が取材に応じた。
田島議長も過去業者から予定価格を知りたいと聞かれた経験があるといい、次のように話した。
ーー大分市議会 田島寛信議長
「私ですか?あります。正直あります。執行部からそういうことをしていたら大変なことになるとたしなめられて。教えなかった?それは当然です。現実にそういうことがあったから重く受け止めなければいけない」
議員と市の長年の癒着が疑われる今回の事件、全容解明が待たれる。
