備蓄米放出の随意契約への申し込みが殺到している。

5月27日、農林水産省は受け付けを一時休止。

2000円の備蓄米は、北海道ではいつ販売されるのだろうか?

5月26日から始まった、随意契約での備蓄米売り渡しの申請。

大手小売業者などから申し込みが殺到し上限に達する見込みとなったため、27日に農水省は受け付けを一時休止した。

「備蓄米の随意契約の申し込みが非常に盛況で、現時点で約70社に」(小泉進次郎農水相)

その70社の中には北海道内の企業や、北海道内に店舗があるスーパーの関連会社なども含まれている。

小泉進次郎農水相
小泉進次郎農水相
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「コープさっぽろ」では1500トンを購入申請。

店頭では6月下旬から、宅配では7月初旬以降販売を開始する予定。

価格は5キロ2000円台で調整中とのことだ。

また、北海道内の「イオン」でも6月中の販売を目指している。

道内での主な備蓄米の販売予定
道内での主な備蓄米の販売予定

ただ、備蓄米は玄米で引き渡されるため流通するまでには課題も多くありそうだ。

今回申し込みをした札幌市内のある業者は「うちは精米工場があるのですぐに販売できるが、設備がないところは精米業者を探さねばならず大変だろう」と話している。

今回、随意契約に申し込んだ他の業者から、精米の依頼も来ているという。

また、精米が終わっても手間がかかる部分があり、「包装がネックで、新たに備蓄米用のコメ袋を大量に作らねばならない」とのことだ。

備蓄米の流通までには課題も
備蓄米の流通までには課題も

麺類を求める消費者も

現在の店頭での平均価格の半額ほど、5キロあたり2000円前後での販売が見込まれる備蓄米。

しかし、その流通を待っている余裕はなかなか無いようだ。

「待たないです。必要なものは今まで通り買う。備蓄米はタイミングがよければ買う」

「家族が少ないので、コメ以外のものを買うなどして工夫している。麺が多いですね」(いずれも消費者)

札幌市豊平区のスーパー「キテネ食品館 月寒店」では、2024年の秋から麺類の売り上げが7~10%ほど伸びているという。

約300袋のセール品のうどんは、すぐに売り切れ。

「次のコメを買うまでのスパンが長くなっている。パンや麺で代用して、コメは5キロではなく、買いやすい値段の2キロを買う人が多い」(キテネ食品館 中塚誠さん)

今回の随意契約による備蓄米の放出は、2022年産と2021年産が対象。

5月28日、国会で小泉農水相は2021年産については対象を小規模な小売店や中小のスーパーに広げ、価格は5キロ1800円程度になる見通しを示した。

さらに安いコメが流通することになりそうだ。

スーパーでは麺類の売り上げが増加
スーパーでは麺類の売り上げが増加
北海道文化放送
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