「令和の米騒動」に新たな動きだ。

小泉進次郎農水相肝いりの随意契約による備蓄米 、いわゆる“小泉備蓄米”が 5月29日に初めて大手小売業者に引き渡された。

28日に開かれた衆議院の農林水産委員会では、小泉農水相と立憲民主党の野田代表らが 米の価格問題をめぐり、論戦を繰り広げた。

29日、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した弁護士で元大阪府知事の橋下徹氏は、随意契約での先着順について、「絶対やってはいけない」と指摘し、受付を分割したうえで抽選にすべきだと訴えた。

関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
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橋下徹氏:本当、野党の議員は“おたんこなす”。しょうもないことばっかりやっていて、まず随意契約を認めるか認めないかで、認めないんだったら他にやり方あるんですかって話です。(ほかにやり方が)ないんですよ。随意契約しかない。どうでもいい質問するんじゃなくて、随意契約をやるんだったら、こういうやり方でやらないと混乱するよってポイントがあるんですよ。

橋下徹氏:今回の場合、絶対やらなきゃいけないのは、受付の分散なんです。先着順は絶対やっちゃいけない。値を統一して一斉に受付する時には、保育所の入所申し込みの時にも僕らいろいろ対応考えたけど、まず地域分割。例えば東北地方、関東、関西とか受け付けを分割して、受付を集約して、最後はドンで抽選でやるっていう、随意契約をするときのワンパッケージなんですよ。指値(さしね)、同一金額で受付をするときの。

橋下徹氏:そういう議論を本当は国会でやって、『小泉さん、先着順はちょっと問題じゃないですか。受付を日本全国でやったらサーバー、パンクしますよ。だからこういうやり方やりましょうよって』ってやるのが国会の議論。最悪だね、この国会の議論。

橋下徹氏 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
橋下徹氏 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■「野党みんなそうなんだけど、随意契約について言うことがない」

そして、備蓄米に関してはこんな発言も物議を醸しています。

国民民主党の玉木代表は28日、 「米価格は銘柄によって違う。あと一年で動物のエサになるような備蓄米はそりゃ安く出る。今年度産の銘柄米などを含めたトータルの米の価格をどれぐらいに持っていくのか」と発言している。

橋下徹氏:事実としては、備蓄米は5年経った後に飼料用に回すんです。主食用に回すと、主食用のほうの値段が下がるので。これも変なやり方なんですけど、実際は飼料米になるから、事実としてはそうなんだけど、今言う話じゃない。

橋下徹氏:野党みんなそうなんだけど、言うことがないんですよ。『随意契約、こんな方法があったのか』と。今までこういうやり方がいいと野党誰一人が言っていない中で、すごいやり方が出たってなったもんだから。嫌と言うことないもんだから、しょうもない事ばっかり。

橋下徹氏:『動物のエサ』はネットでいろいろ出てたんです。『こんな動物のエサみたいなのを買わすのか』みたいな。玉木さん、ネットの声ちょっと引きずられすぎ。それから、今ここで随意契約の話をしなきゃいけないのに、言うことがないから、トータルの米の価格って。後の話です。

橋下徹氏:今回の随意契約の話が終われば、農業改革として中長期的に米の価格をどうするんだという議論は後にやればいいんだけど、みんな随意契約についての質問の仕方がわかんない状況になっている。

玉木代表の発言 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
玉木代表の発言 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■「随意契約は不公平な制度。悪いとこをどう取り除くかが、知恵の絞りどころ」

備蓄米の随意契約は「年間1万トン以上を取り扱う小売業者」が対象となっていて、「小泉米」を入手できないというスーパーの店長からは、『不公平感』という話もあった。

橋下徹氏:もうその通りで随意契約は不公平な制度なんです。でも、やるしかないから、いかに不公平な部分をどうゆるめていくかっていう。随意契約は、言ったら悪い制度ですよ。でも、悪い制度なんだけど、使わざるを得ないから、悪いとこをどう取り除くかが、知恵の絞りどころなんですよ。

橋下徹氏:年間1万トン以上という条件をバーンと小泉さんが出しましたけど、普通は2日か3日ぐらいかけて、どれぐらいの条件だったらできますかってことを探るんです。そうすると、320社ぐらい説明会にきた中で、最後は60社ぐらいしか受け入れてないけど、大体中間、150社ぐらい扱えるぐらいのところの条件を探っていくってのは普通やるんだけど、小泉さんはスピード重視しちゃったから、1万トンと決めたわけ。

橋下徹氏:そういうのを国会でやるとか。あとは古古古米を国会でみんなで食べたらいいじゃん。野党の議員も含めて。うまいんだか、まずいんだか。

小泉備蓄米の随意契約 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
小泉備蓄米の随意契約 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■適正価格について「野党も言い切らないと。文句ばっかり言わずに」

国民民主党の玉木代表は、備蓄米を無制限で放出することについて懸念を示している。

国民民主党 玉木代表:備蓄米がゼロになってもゼロで維持するのか。外国産米を入れることも現実に帯びてくるのでは。

小泉農水大臣:価格の高止まりが解消され、買い戻す環境が整った場合は、計画的に適正備蓄水準100万トンまで回復していく。

立憲民主党の野田代表は。

立憲民主党 野田代表:バナナのたたき売りじゃない。気合はわかるけれども、それが適正価格かどうか」。

小泉農水大臣:2000円は生産者にとっての適正ではない。しかし、古い備蓄米を下ろす価格としては適正。

このような国会でのやりとりについて…。

橋下徹氏:国会でずっと適正価格がどうなんだと野党は言うんだけど、わかんないです、適正価格が。今市場が機能してないから。野田さん、言えっちゅうんですよ、適正価格がいくらか。高い価格を言ったら消費者から総スカン。安い価格を言うと生産者から総スカンくらう。どの金額でもどっち側から批判がくる中で、小泉さんは言いきってるんです。それなら野党も言い切らないと。文句ばっかり言わずに。

29日の農水委員会 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
29日の農水委員会 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」

■小泉農水大臣への質問に橋下徹氏「備蓄米に大いなる矛盾」

橋下徹氏は、小泉農水相への質問として「備蓄米に大いなる矛盾」をあげ、本当に100万トンが必要なのかと述べた。

橋下徹氏:小泉さんが唯一ごまかしてるのが、ここなんですけど、今、備蓄米って100万トンあるんです。その理由は2年の不作があったとしても耐えられる程度っていうので、100万トン。今回どんどん放出していて、このままいくともう30万トンになります。

橋下徹氏:70万トン穴が開く。どうするって言ったら、小泉さんはこう答えました。『過去の東日本大震災とか熊本大地震でもそんなに放出してないから大丈夫だ』と言ったんですよ。東日本大震災で4万トンぐらい、熊本大地震で90トンぐらい、ほんのちょっと。だから大丈夫だと。

橋下徹氏:そしたら備蓄米100万トンも要らないんじゃないの?ってことです。備蓄米に年間、700億円のお金かけてるんです。備蓄米を買い取るのは何のためかというと、国民のためというよりも、米の価格を維持するためなんですよ。だから本当に100万トン必要なのかと。

橋下徹氏:もし、本当に危機だったら、100万トンにすぐまた戻さないといけない。だけど小泉さんが何を言ってるかというと、『いや過去2回の震災でもほとんど放出してない』。確かに放出してない。国の大きな政策として100万トンいるっていうんだったら、もう直ちに輸入で補填しなきゃいけない。だけど自民党は小泉さんも含めて、輸入だけはまだ今絶対に言えない状況。備蓄米って何なのってものすごく矛盾してるから、野党はこういうところが突っ込んでいかなきゃいけない。

橋下徹氏:あとは1万トン取り扱いという条件になると、業者さんがなかなか入ってこれないから、僕は小泉さんに2日ぐらい時間をかけてでも、マーケットサウンドということで、『どれぐらいだったら入って来れますか』って聞いて、150社ぐらい入ってくれるような条件をつくらなきゃいけないと思ってる。

「備蓄米制度に大いなる矛盾」
「備蓄米制度に大いなる矛盾」

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年5月29日放送)

関西テレビ
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