「米は買ったことがない。売るほどある」と発言し批判にさらされた江藤農水相。米どころの農家などからも怒りの声が上がっている。その江藤大臣は続投方針から一転、5月21日に辞表を提出、受理された。
「やってもやってもケチつけられる」
江藤農水相は、「農林は、やれどもやれどもしかられる、やってもやってもケチをつけられる、必死にやっているんですが怒られてばっかりですよ」とも発言していた。これも“ウケ狙い”だったのだろうか。

「私は、コメを買ったことはありません。支援者の方からたくさんコメを下さるんですね。まさに売るほどあります。私の家の食品庫には」との発言に対しては、米どころの佐賀県内のコメ農家などからも怒りの声が上がっている。その怒りの声を紹介する。
「お前コメ作ってみろ」
唐津市のコメ農家:
我が国の農業を引っ張っていく人。思っていても言ったらいかん

玄海町のコメ農家:
消費者の気持ちも分かってないし生産者の気持ちも分かっていない。生産者と消費者を“逆なで”したような言い方。お前コメ作ってみろと。食べなくていいから作ってみろと

みやき町のコメ農家:
ただでさえ栽培状況がきつい中、収入が低いと言われる農業。やる気が失せる
“玄米”についての発言にも憤り
講演のなかで江藤大臣は、「備蓄米を玄米のままでも流通させる」との考えを示した。その玄米に関し、“支援者が下さった”玄米について次のように言及した。

江藤拓農水大臣:
わざとじゃないけど、いろんなものが混ざっている。黒いやつとか、石とか入っている
この発言についても、県内の販売店からは憤りの声が上がっている。

大塚米穀店 大塚乾祐社長:
玄米には異物・石が入っている、変なものが入っている。すべての玄米にそういうものが入っている、と誤解されかねないような発言

この店では毎年、約1000トンの玄米を農家から直接仕入れている。このうち玄米のまま販売する分は、全て機械で不純物を取り除いて出荷している。

大塚米穀店 大塚乾祐社長:
安全なものを届けるために設備投資をして手間をかけて玄米も出荷している。当然、生産者も手間ひまかけてしている中で、この発言はちょっと許せない
「庶民は米不足で困っているのに」
一方、スーパーではコメの在庫不足や、価格の高騰が続いている。消費者からも怒りの声が上がっている。

買い物客:
「庶民はコメ不足で困っているのに大臣はなんて優雅なんだろうと思って呆れた」
「米の消費量が多いので直にダメージがきている状況なので上の立場の方が消費者のことを考えていただけたらと思う」
「なんてこと言っているのだろうかと思った。庶民の方のことは全然考えていないんだなと思った」
続投表明の翌日に一転“辞表”を提出
江藤農水相は20日、「国民にお許しをいただいて、最後まで私が責任を取るところまでやらせていただきたい」と述べ、自身の発言を撤回するとした上で続投する考えを示していた。しかし翌21日、一転辞表を提出、受理となった。農業政策への信頼回復が求められている。
(サガテレビ)