コメの価格高騰が続いている。コメを「もはや高級食材」と話す新潟県三条市のスーパーでは、特定のコメをお買い得商品として売り出すなどこれまで行ったことのない異例の対応をとっている。
価格高騰続き…“コメ売り場”にも変化
政府の放出した備蓄米が消費者の元に届かない中…4月27日までの一週間に全国のスーパーで販売されたコメの5kgあたりの平均価格は4233円となり、17週連続で最高値を更新。

5月4日までの1週間の平均価格は4214円と19円安くなり、18週ぶりに値下がりに転じた。
しかし、買い物客からは「ちょっと上がりすぎではないかと思う」「麺を食べたりしている」などの声が聞かれた。
新潟県三条市のスーパー『マルセン』では、コメの価格高騰が続く中、パスタが例年の1.4倍売れていた。そして、コメ売り場にも変化が起きていた。

太田雅悠専務が「最近の動向を見ていると、5kgよりも先に2kgの袋のほうがかなり出ている印象を受けている」と話す通り、2kgのコメが普段の倍以上売れているという。
「1回の支払い金額が割と少なめの2kgを皆様好んで買われて、家計を節約している印象を受けている」
コメがお買い得品に!?理由は「売れずに滞留してしまう」
消費者が買い方を工夫する一方で、店側もコメの売り方を模索していた。

この日は地元産のコシヒカリが“お買い得品”として通常より300円引きで販売されていたが、コメが特売品になるのは極めて異例だという。
「本当に一般的に気軽に買える主食ではなくなってきている。もはや高級食材になってきているので、店頭で売れないまま滞留してしまうコメがわずかながら出てきている背景がある」
価格の高騰から、これまでと同じペースでは商品が回転していかないコメ売り場。このため、この店では精米から時間が経ちすぎないうちにお買い得品としての販売に踏み切っている。
在庫少なく…確保し続けられるか不安も
一方、コメの流通が見通せない中、いま最も頭を悩ませているのは“在庫量”だ。

全国的なコメの品薄感から、問屋から仕入れるコメの数にはすでに制限がかかる中、ここから新米の季節までに在庫を確保し続けることができるのか…よぎるのは24年の光景だ。
太田専務は「『コメがない』と本当に困っているお客様を目の当たりにしてきたので、去年と同じ轍を踏まないためにも、今年は(在庫調整を)念入りに行っている」と話す。
「引き続き、可能な限り、早く手に取りやすい価格で消費者の手に渡りますよう、さらなるスピード感と危機感を持って取り組んで参ります」と話していた石破首相。
コメ不足への不安や価格の高騰はいつ解消されるのか、政府による的確な施策が求められている。
(NST新潟総合テレビ)