10月14日に開業1周年を迎えた長崎スタジアムシティ。ジャパネットホールディングスの髙田旭人社長は会見を開き、2年目の目標は「来場者数が650万人」と語った。世界を見据える髙田社長が思う平和とは、「生きる楽しさの提供」だ。

年間485万人が訪れたスタジアムシティ

会見の冒頭、髙田社長は「この1年間、このスタジアムシティの中でサッカー、バスケットボール、音楽イベント、食事など様々なものを提供させていただいたが、何よりも来た方が笑顔になっているのをたくさん見られたという意味では、すごく満足しているスタートだと思う」と述べた。

ジャパネットホールディングス 髙田旭人社長
ジャパネットホールディングス 髙田旭人社長
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同時に、「スタートのタイミングから話してるように、ちゃんと持続可能にすること。現状まだまだジャパネットグループがサポートして運営が回っているので、これをスタジアム施設単体で収益を上げながら継続していくということがすごく大事だと思っていて、その光も少しずつ見えてきてる」と、満足しているだけではない、先を見据えた思いを語った。

長崎スタジアムシティ
長崎スタジアムシティ

髙田社長によると、1年間の来場者数は延べ485万人を記録。平日は平均で1万人を超えている。「いい形でスタートできているし、最多来場者数を記録した2024年10月27日に4万4000人以上の方が来ていただいたというのはすごく嬉しかった。それをしっかりみんなでオペレーションして回せてるということも素晴らしいことだと思っている」と、全体を評価した。

平日は近隣から多く訪れ、休日はより広域から訪れる人が増えている。年齢層も幅広いが、「高齢者層の集客も課題と認識している」と話す。

50万ダウンロードのアプリとイベントへの取り組み

イベントのチケット購入やモバイルオーダーなどのサービスが利用できるスタジアムシティアプリは50万ダウンロードを突破。約10万人がアクティブユーザーとなっている。

アプリの手ごたえは狙い通りだった
アプリの手ごたえは狙い通りだった

髙田社長は「アプリでイベントを見たり、ポイントを使ったり、情報を入れたりっていうことでアプリ経由で来ていただけるということは経営的にもすごく安定するので、狙い通りだった」と評価した。

イベント面では、サッカー年間19試合、バスケット30試合に加え、多彩な催しを実施。特に自主開催イベントに力を入れていて「イベント全髙田体の3分の2を自分たちで作ることにこだわっている」と髙田社長は強調した。

アイススケートショーや歌舞伎など手ごたえを感じるイベントも多く「やってみて良かったものは翌年もまたやるという考え方なので、そういう意味で形になってきたものも増えてきた。習慣化、定番化できるのが目標」と語った。

ホテルの稼働率も上昇傾向
ホテルの稼働率も上昇傾向

また、ホテルの稼働率も上昇傾向だ。夏場は約80%、10月、11月も70〜80%台を維持。宴会や結婚式の数も増加している。修学旅行の誘致も進み、2026年には約18校の利用が見込まれているという。

完全キャッシュレスから現金使用可能へ

開業当初はオペレーションコストを抑える目的から「完全キャッシュレス」を掲げていた。しかし、高齢者層の利便性を考慮し、一部現金使用可能な形態へ方針転換することを明らかにした。

完全キャッシュレスから現金使用可能へ
完全キャッシュレスから現金使用可能へ

自動釣り銭機を使用した現金支払いを一部店舗で導入し、自動販売機でも小銭が使えるようにする計画だ。

有料チャンネルからのイベント誘致も視野に入れる
有料チャンネルからのイベント誘致も視野に入れる

今後の展望として、音楽イベントの充実を図る方針も示した。ジャパネットグループが運営するBS10チャンネルのサブチャンネル「BS10プレミア」を音楽コンテンツも見られるチャンネルに変更。「スタジアムで行われるイベントや、ライブレストランでのコンサートを有料チャンネルでも放送することで、イベントの誘致が加速する」と期待を寄せている。

Vファーレン長崎のJ1昇格へ期待
Vファーレン長崎のJ1昇格へ期待

会見ではVファーレン長崎のJ1昇格への期待を示し「最高のリーグを長崎の皆さんと一緒に応援するということが、長崎の皆さんの喜びとしても、我々経営としてもどちらにとってもすごい大事なこと」と語った。

平和は「生きる楽しさの提供」

髙田社長は地域活性化への貢献について「ジャパネットの社長として思っているのは、平和は大事だとか、平和のメッセージを出すことよりも、単純に生きる楽しさを提供する方がよっぽど平和のメッセージに貢献していると思う。今を生きる楽しさを提供し続けるというのが、それを平和のメッセージと捉えていただけると嬉しい」と、平和に対する見解を示した。

スタジアムシティ長崎が長崎の経済を引っ張る
スタジアムシティ長崎が長崎の経済を引っ張る

運営面の課題については「スタジアムシティが単体でちゃんと黒字化しないといけない」とし、「ジャパネットの社員が増えることで長崎全体の経済を引っ張っていければ」という意欲を示した。

2年目の来場者数の目標は650万人
2年目の来場者数の目標は650万人

来場者数の目標についても言及し「1年目の来場者数の485万人は絶対に上回らないといけない。600万人か650万人くらいには達成できるのではないか」と、次年度の目標を語った。

日本に、世界に広げたい
日本に、世界に広げたい

「プロスポーツも含め国際試合、アマチュア試合、いろんな所でこのスタジアムというものが長崎県内にとって役割が大きくなってきてるのかなと思う。長崎のモデルを日本中に、世界中に広げたいと本気で思っている」と語る髙田社長。

2年目の長崎スタジアムシティも期待大!
2年目の長崎スタジアムシティも期待大!

開業から1年。子供たちが遊べる場所、温泉、ジップラインなど多様な施設も充実させ、地域に根差したスタジアムシティの発展に意欲を示している。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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