いつかやってくる「親の介護」。そうなると、どうしても介護の費用や相続など、お金の話は避けて通れない。
「まだまだ元気だし、もっと先でもいいかもしれない」「いつかは話そうと思うけど、親とそういう話をするのは気まずい」
そう思っている人も多いのではないだろうか?
しかし、「お金の話は、絶対に親御さんが元気なうちに進めてください!」

そう語るのは、介護や相続に関するお金の相談を数多く受けてきたファイナンシャルプランナー・安田まゆみさん。
介護は案外「突然」やってくる
実際、介護は「突然始まる」ケースも多い。
厚生労働省が行っている「国民生活基礎調査」の2022年の調査では、要介護となった主な原因の第1位は「認知症」が23.6%で最も多いが、第2位は「脳血管疾患(脳卒中)」19.0%、第3位は「骨折・転倒」13.0%。

「脳血管疾患(脳卒中)」「骨折・転倒」は予測ができないだけに、準備ができていない状態で介護をスタートしなければならないのだ。
「家族間で何も決まっていない状態で突然介護が始まると、近くに住んでいる人に負担が偏りがちに。また、子供たちの中でも姉や妹だったり、子供の妻だったりと、女性に負担がかかることが多いのも現実です。心が優しい人ほど押し付けられ、責任感で頑張っても長期間の介護の中では孤立感が増して、途中で心が折れてしまうという状況が往々にしてあります」(以下、安田さん)
「寄与分」には期待できない
介護をしたのだから、亡くなったときはその分相続で多く貰えるのでは…そう思って耐えてしまう人もいるかもしれない。しかしそれは危険だ。