この3連休も相次いだクマの出没。
11月もクマ災害が猛威を振るっています。
住宅の塀をよじ登るのは、体長70cmほどの子グマです。
2日、北海道・札幌市の住宅街に現れ、5時間以上にわたり付近を徘徊。
そして、出動したハンターに駆除されました。
さらに、札幌市の北東、砂川市の住宅近くのやぶの中に体長1.2メートルほどのクマが出没し、警戒が続いています。
そして、クマ被害から住民を守る立場のハンターが被害に…。
1日、岩手・大槌町の山中で、75歳の男性ハンターがクマに襲われました。
男性は鼻などを引っかかれて大けがをしたといいます。
同じ岩手県の西和賀町では2日、3頭のクマが目撃されています。
2025年度のクマ被害による死者は、過去最多の12人。
3日、13人目の犠牲者の恐れが…。
秋田・湯沢市で、家族に「山に行ってくる」と話したあと行方が分からなくなっていた後藤キヨさん(79)の遺体が山林で発見されました。
遺体は損傷が激しく、かまれたような痕があり、クマに襲われた可能性が高いとみられています。
被害の報告は東北以外でも。
2日午前11時ごろ、京都府の京丹後市で80代の男性がクマに襲われました。
現場の近くには、クマが好んで食べる柿の木が。
男性は柿の木を見ていたところを襲われたということです。
京都・京丹後市職員:
去年から出没数が倍近くにまで増加している。人身被害ということになると、事態としては重く受け止めております。
番組の調べではこの3連休、東北を中心に長野県などでもクマが目撃され、3日は山形・南陽市でも。
午前3時ごろ、監視カメラがクマの姿を捉えました。
近くにある小学校では、10月29日にもクマが出没していました。
山形・南陽市 白岩孝夫市長:
街中に頻繁に現れることになったのが大きな変化。抜本的な対策が国レベルで必要ではないか。
災害レベルの異常事態を迎えているクマ被害。
石川県立大学の大井徹特任教授は、「8月下旬から出没が始まって、10月から今(11月)がピークということで警戒が必要。越冬準備のためにクマがえさをたくさん食べるが、主要なえさになるドングリ類が大凶作。えさを求めてたくさんのクマが出没している」と注意を呼び掛けます。
さらにこの季節、極めて危険だというのが子連れのメスです。
石川県立大学・大井徹特任教授:
子連れのメスは、子どもを守るために特に攻撃的になるので危険。
母親グマに襲われる瞬間を捉えた過去の映像。
岩手・岩泉町の山中で、キノコ狩りをしていた男性をクマが突然、襲撃。
20秒ほど抵抗し、追い払うことができました。
男性はこの時、木に登る子グマを見たといいます。
原生林の熊工房・佐藤誠志さん:
親子連れで、若い母グマが襲ってきた。(母グマの大きさ)1メートル以下だと思う。見たら分かるとおり力もあるし、スピードがすごいので、人間が勝てるものではない。