7月に行われる参議院議員選挙。宮崎選挙区は与野党の勝敗を左右するといわれる1人区で、3人が立候補を表明している。自民党の現職・長峯誠氏は、今回3期目を目指す。立憲民主党は、元県議会議員の山内佳菜子氏を擁立。参政党は滋井邦晃氏が立候補を表明している。決戦まで約2カ月となった3人の今を見ていく。
自民党・現職 長峯誠氏
3期目を目指し立候補を表明している自民党現職の長峯誠氏は、党の広報車に乗り込み、宮崎市を回っていた。夏の参院選を前に、物価高対策の取り組みや日米関税交渉について支援者への丁寧な説明を行っている。

この日立ち寄ったのはJAみやざき。ここで長峯氏は、「農業人口は今後20年で今よりも75%減る」と危機感を募らせた。

自民党・現職 長峯誠氏:
本当に国民の食料を守るために、農政をどうしていくかということを考えなければいけない。もう今、その決断をしなければ手遅れになってしまう。

今回は「信頼回復」も大きなテーマだ。自民党の政治資金パーティを巡り116万円を収支報告書に記載しておらず、長峯氏は政治倫理審査会で説明を求められ謝罪した。

自民党・現職 長峯誠氏:
信頼回復については再発防止をしっかりしていく。法律を厳しくしていくことが一番大事。参院選への影響は出てくるか?それは、あるかもしれない。
物価高に農業課題、政治とカネ。長峯氏は、有権者の不安や不満を払拭しようと説明を繰り返していた。
立憲民主党・新人 山内佳菜子氏

2023年の県議選では宮崎市区でトップ当選を果たした立憲民主党・新人の山内佳菜子氏は、「挑戦者」というタスキをかけて集会に臨んでいた。参院選は有権者が県内全域となるため、知名度の浸透に力を注いでいる。
4月下旬、都城市でキックオフ集会を開いた。「困っている人の生活を支えたい」と、命と暮らしを守る政治の実現を目指す山内氏は、医療について繰り返し言及した。

立憲民主党・新人 山内佳菜子氏:
宮崎のように、九州で唯一の医師少数県のような非常に厳しい地域に対しては、国として、きちんと地方交付税などでも手当をする。そのような政治的な判断が今強く求められている時期だと私は感じている。

山内氏は参院選にむけて「100の対話プロジェクト」をスタートさせ、対話を重ねて国政に生かしたいと、県内を回っている。

立憲民主党・新人 山内佳菜子氏:
今、皆さんから一番お話をうかがうのが、物価高騰などを含めて非常に苦しい生活が続いているということ。暮らしをどう支えるのかが一つの争点になると考えている。
参政党・新人 滋井邦晃氏
参政党の滋井邦晃氏。物価高が続くなか、消費税の廃止や社会保険料の軽減で経済の好循環につなげたいと訴えている。

参政党・新人 滋井邦晃氏:
私たちの思いをしっかりと国会へ届けてくれるのはどの政党なのか、自分で判断し投票してくれれば日本の政治は変わる。

若い世代への政治参加を呼びかけ、保守層の受け皿としても支持の広がりを期待している。参院選で、参政党は全国で6議席の獲得を目標に掲げている。

参政党・新人 滋井邦晃氏:
国民負担率と言って、社会保険料と税金を合わせたものが約半分。一番大きな問題。負担率35%で上限を決めてしまう。これ以上上げませんとルールを決めていけば、使えるお金が増えてくる。
参院選の争点は?結果次第で何が起きるのか?
今回の参院選、何が問われる選挙になるのか、宮崎公立大学の有馬晋作名誉教授はこう見ている。

まず、物価高や政治への不満・不信が投票行動にどう表れるかという点。

そしてその結果、参議院でも過半数を割ると自民党は本格的に追い込まれる。野党もまとまりきっていないため政治の不安定さが一層増し、新たな連立や政権交代へのひきがねになるかもしれないと話している。

ただ多くの有権者はこのことを認識していない現状があるとも話していた。参院選は7月に行われる。
(テレビ宮崎)