2025年5月1日、松坂屋名古屋店が中区栄の場所に移転して100周年を迎えました。「生活と文化を結ぶ松坂屋」というキャッチフレーズで文化を発信し、様々な流行を生み出してきた松坂屋の1世紀を振り返ります。

■開店前に行列…100周年で樽酒が振る舞われる記念セレモニー

「松坂屋名古屋店」が栄で開業して100周年を迎えた5月1日、開店前には長い行列ができました。

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松坂屋名古屋店の斉藤毅店長:
100年と言いましても、やはり長い1世紀でございますので、これもひとえに地域の皆さまに支えてきていただいたおかげだと。

先着100人に樽酒が振舞われたほか、松坂屋の商標「いとうまる」が刻印された「千なり」もプレゼントされました。

一宮市から来た客:
感動ですね。100年、すごいですね。小さい頃からお父さんとお母さんと一緒に来ていてなじみで。

豊川市から来た客:
昔から続いているので信頼がありますよね。品揃えも含めて。

■ファッションに屋上遊園…流行を生み出し続けた松坂屋の軌跡

松坂屋のルーツは、江戸時代初期の1611年です。織田信長の家臣・伊藤蘭丸祐道(いとうらんまるすけみち)が、名古屋の本町で呉服小物問屋「伊藤屋」を創業したことでした。

1925年・大正14年に中区栄に移転し、6階建ての「松坂屋名古屋店」本館が出来ました。

しかし1945年、名古屋の中心街が空襲で焼き尽くされました。松坂屋も建物は残ったものの全焼し、鉄筋の壁も赤黒く焼け焦げました。爪痕は今も残っています。

松坂屋名古屋店の広報:
ここは戦争、空襲で焼け焦げた跡になるんですけども、店内の至る所にこういった跡がたくさん残っておりまして。

1949年、戦災で焼けた名古屋城の代わりに、松坂屋の屋上に小さな名古屋城を建てたこともありました。

1951年、戦後の名古屋初のファッションショーも松坂屋でした。

「生活と文化を結ぶ松坂屋」というキャッチフレーズで文化を発信、様々な流行を生み出します。

バレンタインのチョコレート商戦では、様々なアイデア商品を展開したほか、「国鉄忘れ物市」や、思い出の定食「すいとん」をレストランのメニューとして出したこともありました。

開業当時からデパートの屋上にある「こども遊園地」では、電気で動く乗り物や人型ロボットで賑わいました。

屋上遊園は2025年2月にリニューアルされ、今も現役です。

レストランでは、松坂屋が命名した「お子様ランチ」が全国に広まりました。

また、デパートで人気の「デパ地下」。1936年・昭和11年に日本初のデパ地下といわれる味の老舗「東西名物街」がオープンしていて、あれから90年が経った今も「ごちそうパラダイス」として賑わっています。

客A:
変わったものが欲しいなと思って、いつも寄っています。

客B:
楽しいところです。

■63億円をかけた大リニューアルも実行中…店長「200年と続けていける企業に」

松坂屋名古屋店は現在、北館・南館を合わせ延床面積は86758平方メートルで、年間の売上高は1300億円を超えていて、100年経っても、栄地区の旗艦店としてけん引し続けています。

さらに100周年にあわせ、2024年から63億円をかけ、売り場面積の3割以上に及ぶ大リニューアルが2025年秋まで続いていて、栄地区の賑わいの中核を担い続けています。

松坂屋名古屋店の斉藤毅店長:
地域のお客さまとともに歩んでいくという姿勢。私たちだけではなく栄の街と。100年、200年と続けていける企業になりたいなと思っております。

(東海テレビ)

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