モヤモヤと罪悪感に押しつぶされる…
前述の「こうあるべき」に加えて、私自身が体験してモヤモヤしたことは、
・子の緊急時の連絡先を夫にしていても、当然のように母親である私に電話がかかってくる。
・子どもが体調不良の時に母親が行くのは当たり前だけど、父親がいくと「お父さん来てくれたんですね!」となる。
・「小さな子どもがいるから、この仕事は無理だろう」と気を遣われて、チャンスが回ってこない。
複雑なモヤモヤと、「私は母親失格なのかもしれない…」と、働く罪悪感を抱えながら働いていました。

(3)「残像問題」を強制リセットする方法
私は、残像問題を乗り越えることはできませんでした。
限界まで働き、夫と共に疲弊し、最終的に退職を決意しました。そこで、選んだのは「以前の自分を知らない会社」に転職することでした。過去の自分の残像をリセットするための決断でした。
この作戦は、一定効果がありました。
新しい会社では「定時で帰る森数さん」が通常モードとして受け入れられており、早く帰ることに対する罪悪感からも解放されました。
しかし、完全に残像をリセットできたわけではありません。自分自身が「以前の自分」を知っているからです。「前のように働きたい」「あの頃のようにやれるはずだ」という思いを捨てきれない自分がいました。
「ライフイベントがあったからこそキャリアを見直すことができて、いい機会だった」と自分に言い聞かせ、6年間は働く時間をセーブし、その間に社会保険労務士の資格を取得しました。
いつか再び以前のように働ける(キャリアアクセルを踏める)時が来ると信じ、準備を続けたのです。