4月24日で開業から1カ月となった新広島駅ビル。広島の玄関口に大規模な商業施設「ミナモア」がオープンしたことによって、広島市中心部の紙屋町・八丁堀エリアのにぎわいに影響はあったのだろうか。
ミナモア開業1カ月 順調な滑り出し
3月24日の開業日に約11万人が訪れた新広島駅ビルの商業施設「ミナモア」。4月12日までの入館者数は約221万人を記録し、順調な滑り出しだ。

初めて来た人は「まだめっちゃ人が多いですね。めちゃめちゃ人多いです」と驚いた様子。開業から1カ月を迎えた日も多くのお客でにぎわっていた。
ミナモアの魅力とは?
館内で過ごす人たちに聞いてみた。

レストランのフロアで洋食店に並ぶ20代の人は「初めて来ました。会社を休んで、有給を取って。たいめいけんに来たことがなかったので1回食べてみたいと思って」と言う。
また、50代の女性は「今まで広島駅は中途半端な感じだったが、ミナモアができて広島の玄関口という気合を感じる」、40代の女性は新しくシネマコンプレックスが入ったことについて「映画館が駅にあると、なんかキタなって感じはする」と楽しんでいた。
屋上広場は「ポケモン好き」に人気
屋上のソラモア広場では、食事や休憩をとる人などが自然の風を感じながら思い思いに過ごしている。

オープン1カ月で来館5回目という子ども連れの女性もいた。
「駅のビルだから来やすい。子連れだったら店内で食べるよりも屋上の広い場所の方が遠慮なく食べられるので、いつもここに食べに来ています」

屋上にはポケモンのキャラクターが遊具になった「ギャラドスひろば」があり、子どもたちに大人気。
ーーポケモン好き?
「好き」
運営する中国SC開発ミナモア統括グループの白崎晃大さんは「1カ月たってもこれだけ多くのお客さまにお越しいただけているのはありがたい。ゴールデンウィークもより多くのお客さまに楽しんでいただけるようにブラッシュアップしていければと思っています」と意気込む。
紙屋町・八丁堀エリアの客足に陰り…
一方、これまで広島の商圏の中心を担ってきた紙屋町・八丁堀エリア。にぎわいづくりに取り組む組織「カミハチキテル」の若狭利康代表は、その影響を肌で感じているという。

「この辺りは少しお客さんが少ないかな。やはりじわじわとお客さんを取られているかなという気はしています」
その上でこのエリアならでは魅力もPR。
「高級志向の物はやはりこちらに強みがある。ミナモアはもうちょっと買いやすい商品のラインナップが多いと思うので、そこで差別化ができるのではないか」

そんな中で期待を寄せるのが、路面電車の新ルートによる“アクセス時間の短縮”だ。広島電鉄は新広島駅ビルの大きな目玉、駅前大橋ルートの開業日を「8月3日」と発表。
若狭代表は「2階に広電が乗り入れて紙屋町・八丁堀方面へ直通になりますから、お互いの相乗効果で駅周辺と中心部の両方に回遊性ができて、お客さまがよりたくさん来られるかな」と話す。
駅ビル2階に路面電車が乗り入れる「駅前大橋ルート」は、これまで遠回りしていた広島駅~紙屋町・八丁堀エリアを最短で結ぶルート。分散していた人の流れがつながり、街に相乗効果がもたらされることを期待したい。
(テレビ新広島)