高血圧を防ぐ新視点として、塩分(塩化ナトリウム)とカリウムの割合「ナトカリ比」に注目。カリウムが体内の塩分を排出する働きを利用し、減塩だけでなく野菜や果物を足して血圧の上昇を防ぐことができるという。

「減塩」だけでなく「ナトカリ比」に注目

ラーメンや焼き肉などをついつい食べてしまう人も多いが、健康診断で血圧を指摘された方もいるのではないだろうか。

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テーマは「高血圧に効果的な“ナトカリ比”しってる?」だ。

日常の食事にあるものを足すだけで高血圧を防げる…そんな新たな視点が注目されている。

高血圧は、放っておくと脳卒中や心臓病の原因となる。国内に約4300万人いて、今や国民病とも言われている。

高血圧予防を意識しているか街の人に聞いてみた。

70代:
もう何十年も(高血圧の)薬を飲んでいる。高カロリーにならないようにとか、しょっぱいものとか(控えるようにしている)

60代:
塩分。例えばラーメンのスープは飲まない。うどんのスープも全部飲まない。飲みたいけど飲み干さない。そこに塩分がいっぱいあるから我慢。

40代:
塩分?あと、ドクターに怒られない食事。食べ過ぎない。

40代:
腹八分目。自分で言ってて耳が痛い。

多くの人が食事の取り方などを工夫し、減塩を意識している。しかし、減らすことを常に考えるのはストレスも大きい。そんな中、注目されているものがある。

カゴメ管理栄養士・杉本優子さん:
最新のトレンドワードで、ナトカリ比というのがあります。

この日、住友商事本社で行われていた健康に関する講演で、繰り返し出てきた言葉が「ナトカリ比」。これはナトリウム(塩分)と野菜などに含まれるカリウムのバランスに注目してみるという考えだ。

カリウムに対するナトリウムの比率が低いほど良いとされている。

これまで、高血圧を防ぐには、ナトリウム=塩分を減らすことが最も重要とされてきた。

そんな中、野菜や果物に含まれるカリウムが体の中に入った塩分を外に連れ出してくれる働きに着目した。

カリウムが塩分を外に連れ出す働きに着目
カリウムが塩分を外に連れ出す働きに着目

つまり、日常での食事に野菜をトッピングしたり果物を加えることで、食事中のナトカリ比が低くなり、血圧の上昇を防ぐことができるということだ。

日本高血圧学会が提唱しているもので従来の減塩という「引き算」の考え方だけではなく、食事にカリウムを加える「足し算」への発想転換だ。

参加者(50代):
もうちょっと今までより、多めの野菜を摂るように心掛けます。

参加者(20代):
普段のランチでも野菜一品取り入れたり、野菜の摂取は普段の生活に取り入れています。

実際に、どのように生活に「ナトカリ比」を取り入れたらよいのか。

ナトカリ比を意識したレシピを考案しているカゴメによると、例えばいつものカレーライスには「ほうれん草」を足すとナトカリ比を減少させる事ができる。

さらにハンバーグには「ミニトマト」を添えれば、こちらもナトカリ比が減少する。

減塩も意識した上でのバランスが効果的

遠藤玲子キャスター:
では、青井さんも大好きなラーメンは、何を足すといいでしょうか?

青井実キャスター:
ほうれん草なんでしょうけど、ネギ!

遠藤キャスター:
要は野菜ということですね。ニラやもやしを加えた、野菜増しラーメンにすると良いです。追加する野菜の目安は約60gと言うことですので、ぜひ日々の食事で意識してみてください。

「ナトカリ比」について、専門家に聞きました。

滋賀医科大 公衆衛生学・三浦克之教授:
カリウム(野菜など)を増やせば食塩減らさなくて良いと思うのは、これはちょっと間違いなので。ぜひ両方やってくださいというのが我々のメッセージですので、どっちもしなきゃいけない。

遠藤キャスター:
減塩も意識した上で、バランスが効果的ということなんですね。ちなみに、カリウムの多い野菜1位はほうれん草(690mg)で、2位が枝豆(590mg)、3位がモロヘイヤ(530mg)なんです。さらに、宮司さんが大好きな納豆にも、100gあたりのカリウムの量が700mgと多く含まれているんです。

宮司愛海キャスター:
カレーに納豆をかけて食べるの好きなので、ちゃんと理にかなってるんですね。

遠藤キャスター:
今まで私それを全否定していたんですけど、宮司さん大変失礼いたしました。カリウムが豊富ということです。パックンは意識したことありますか?

SPキャスターパックン:
したことないですけど、僕野菜大好きなんで全然いける。でもほうれん草は、いつもベーコンと炒める。ベーコンは塩分が高い。枝豆は必ず塩を振って食べるから、ちょっと食べ方も意識しないといけないですね。

遠藤キャスター:
相殺できるというわけではなく、足すことが良いということですね。

これからの食生活の中で、ぜひ意識してみてほしい。
(「イット!」4月23日放送より)

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