全国のスーパーで販売された米の平均価格が15週連続最高値を更新した。国産米高騰を受け、米国産カルローズを混ぜたブレンド米や韓国米を売る小売店も出てきた。政府はトランプ関税対策として、米国産米輸入拡大を検討しているという。

「外国産米を使わざるを得ない状況」輸入ブレンド米の販売加速

米高騰が続く中、22日に訪れたのは東京・千代田区にある米の専門店「米マイスター麹町」だ。

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取材班:
こちら、ずらっといろいろな銘柄のお米が並べられています。

店頭には列島各地の銘柄米が並ぶ中、今売れ行きを伸ばしているのが、日本産とアメリカ産のブレンド米だという。

米マイスター麹町・福士修三社長:
アメリカ産のカルローズのブレンド、今2つ種類があるんですけど、これは600円台ですね。

国産米が1kgあたり800円ほどなのに対し、アメリカ産のカルローズ米とのブレンド米は1kgあたり600円程度で、3割ほど安く販売されていた。

米マイスター麹町・福士修三社長:
『ミニマムアクセス』で、輸入したものを使っています。

価格が安い理由は「ミニマムアクセス米」という制度だ。日本は海外から一定量まで関税ゼロで輸入する米の量の枠を設定している。

米マイスター麹町・福士修三社長:
(国産米が)まだこの高値が続く間は、どうしても外国産米を使わざるを得ない状況です。

全国のスーパーで販売された平均価格が15週連続で最高値を更新するなど、米の高騰が止まらない。すでに街では、輸入米の販売が加速する動きが出ている。

アメリカ産米の輸入拡大案に「危機感」

東京・新宿区新大久保の韓国食料品のスーパー「韓国広場」では、既に輸入米が並んでいる。

取材班:
ありました。韓国産のお米です。パッケージも全てハングルで書かれています。

並んでいたのは韓国のブランド米「地の果ての日差し」だ。一般消費者向けとしては統計開始以来35年で初めて輸入された韓国米で、取材中にも手に取る買い物客の姿があった。

韓国広場・社長:
(初回分は)もうすでに売り切れて、今並んでいるのが2回目の発注分です。最初は仕入れる量自体が少なくて、どんどん量が増えるのであればコストも下げる。

現在は1袋4kgで、価格は税込み3866円だ。関税が掛かるため、現在は韓国国内での約2倍の価格だが、今後流通量が増えれば値下げが可能だという。

緊急輸入の動きも加速する中、アメリカのトランプ関税との交渉を巡る日本政府の切り札として浮上しているのが、アメリカ産の米の輸入拡大案だ。

しかし、急速な米の輸入拡大の流れには、専門店から懸念の声が上がっている。

米マイスター麹町・福士修三社長:
ちょっと危機感を感じます。お米を作る生産者のことも考えると、やはり国産米が一番いいのかなとは思っております。
(「イット!」4月22日放送より)

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