天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが羽田空港を出発し、17日夜、ラオスに到着されます。
初めて臨む外国公式訪問への愛子さまの思いについて、ご一家に説明した専門家に話を聞きました。
国交樹立70周年を記念し、ラオス政府から招待を受け、初めて外国を公式訪問される愛子さま。東南アジアのラオスはベトナムやタイ、中国と国境を接し、仏教への信仰が篤い親日国です。
2012年には皇太子時代の天皇陛下が公式訪問し、黄金の仏塔「タートルアン」への拝礼や、世界遺産の古都「ルアンパバーン」の視察などを通じ、ラオスの人たちと親善を深められました。
側近によりますと、陛下の訪問時のアルバムをご一家で見たり、資料を読み込むなど、愛子さまは心を込めて準備を重ね、ラオスの歴史について、専門家からご家族揃って説明を受けられました。
ラオスについてご一家に説明した東京外国語大学の菊池陽子副学長は、愛子さまの様子について「非常に歴史に関心を持たれているとお見受けした」と話しました。また「両陛下も愛子さまも筆記をしながら、こちらが恐縮するぐらい熱心に聞いて下さいました」と振り返りました。
菊池教授によると、太平洋戦争やベトナム戦争などにより被害を受けた人たちについても関心を寄せられていたといいます。
初めての行事の際はいつも緊張されるという愛子さま。
菊池教授によると、初の外国公式訪問を控えた愛子さまに、陛下は『ラオスはとても料理が美味しい』と、ラオスの食事の思い出を伝えられていたそうです。
菊池教授:
「陛下は『ラオスはとても料理が美味しい』と仰っていました」
「愛子さまもやっぱり『食事が楽しみです』と」)
陛下は13年前、古都ルアンパバーンで船上での昼食会などの際にラオス料理のもてなしを受けられました。
今年7月の会見では、「ラオスの人々が餅米を食べる習慣があるなど、日本とも共通する文化を感じることができました」と振り返られました。
さらに、蒸した餅米を主食とするラオスに親近感を覚え、食生活を通じて「その国の文化の一端に触れることができることも外国訪問の楽しみ」と述べられていました。
また、客人や旅人の健康や幸せを祈り、手首に白い糸の束を巻き付けるラオスの伝統儀式「バーシー」を13年前に陛下も経験していて、懐かしく思い出されていたといいます。
こうした伝統的な儀式でどう振る舞えば良いのか。ある側近は、陛下に確認出来ることは、初めての旅に臨む愛子さまにとって心強いことだろうと話していました。
「ラオスのことをもっと勉強したいです」とも話されていたという愛子さま。
親子2代でのラオス訪問はどんな意味を持つのでしょうか。
菊池教授は、「日本はラオスを大切に思っている、ということを示すことに繋がっていると思います」「日本の人々にそんなに知られていない国にも皇室としてお心を寄せて下さっているという、ひとつのメッセージになっている」「(ラオスは)あまり注目を浴びることもないんですが、そういうところに光を当てて下さるという」と期待を寄せました。
また天皇陛下は同じく7月の会見で、「私と雅子からもこれまでの外国訪問の経験を踏まえつつ、愛子に助言をしていくことができればと考えています」と話されていました。
愛子さまは成年に際しての記者会見で、「一つ一つのお務めを大切にしながら、少しでも両陛下や他の皇族方のお力になれますよう、私のできる限り,精一杯務めさせていただきたいと考えております」と話されていました。
成年皇族としての務めを通じて両陛下の力になりたいと願われる愛子さまの初めての外国訪問を、豊富な経験をもとに、両陛下がこまやかに支えられるます。
国際親善の日程はあす18日から始まります。
